MINOLTA REPO & RICOH CADDY の整備

 JFC仲間のフォレスターさんから修理依頼でレポとキャディーが飛んできた。どちらもシャッタースタックなので、追加の生地にする。

☆REPO

シャッターがちゃんと切れないので、羽根の汚れと判断、分解清掃コース



前玉を外す。4の位置ではめ込み、4回転目に印のところで無限が出るとここに書けば組立で間違えない。



確かにシャッターはネコの目状態。ベンジン清掃では速度が出ない



前板を外すには上下の接続点をよく確認しておくこと。これは下部の接続状態



軍艦部を開け、邪魔なファインダーを外せば前板が分離できる



分離完了。この状態で後ろ玉も外せば洗浄できる。610式で超音波洗浄をする



メーターは外しておく。連携は無いから分離は簡単だ



組立には、チャージ・シャッター・メーターなどの連携を確認しながら行う。わずかの位置の違いで組めなくなったりするからここで急いではいけない。

これにて整備完了。全速度域できちんと動作するようになった。

☆CADDY



こちらもスタックだが、巻上げもレリーズも出来ない状態。キャディーでこの故障は巻上げ時の二重露出防止が外れないか、シャッターが開きシーケンスの途中でスタックしているかが疑われる。下をあけて確認したが、巻上げ可能になっているのでシャッタースタックと判断。洗浄が必要なので鏡筒を外す。前板がなく、いきなり裏からバレルが外せる。



既に洗浄後。シャッターは羽根だけでなく全てに油が廻っていたので、完全に洗浄した。普通なら数分超音波で洗浄すれば片付くのだが、一度ではすっきりせず、洗浄中にシャッター動作をさせるなどして、油やグリスを落とした。潤滑は普通ならベンジンで薄めた機械油だが、このシャッターはわずかの油でも羽根に廻りやすくスタックしやすいことと、酷寒の北海道で使うことを考慮し、給油はせずボロンの粉末でドライ潤滑とした。これから何万枚も写すことは無いだろうから、寒い所で使うにはこの方が安心できる。



キャディーでシャッターが正常なのに突然巻上げできなくなった時はこのあたりを疑うべし。バネが外れている可能性が高い。出来れば正常時に記録を撮り、保存しておくと良い。



組む時にはここのカバーを外し、シャッターとチャージの連携を確認すべし。二箇所同時に掛けるので、手抜きすると逆に面倒になる。

以上で整備完了、念のためピントを確認したが問題なし。もちろんシャッターは快調になった。

《試写》

現在進行中の、オリンパス・ペンの試写に同行して行った。どちらもフイルムはアリスタ・プレミアム100 (つれづれ絵日記掲載分)

レポ



キャディー



☆どちらもスキャナーで無調整で取り込んだもの。アンシャープなど使用せずそのまま掲載したが、文句無い写りだ。それぞれのレンズの持ち味は違うが、どちらも鑑賞に耐える立派なものである。レストアは大成功ということだろう。

☆フォレスターさん、ぜひガンガン写して下さい!


戻る