Sea & sea Motor Marine 35 MX-10

 本物の水中カメラである。私はこういうヘビーデューティーなカメラに弱い。潜るわけでもないのにニコノスがあったりする。これもちょっと壊れているからとほぼ捨値で出ていた。



分厚いハウジングに入った、いかにもタフな外観だ。f4.5で32ミリと相当な広角で、固定焦点の水中専用機だが、被写界深度を利して水上でも使える。

シャッターは1/125秒固定で、絞りは手動で4.5から16まで、f4.5と11で内臓フラッシュが作動する設定が付いている。水中では屈折率の違いから画角が狭まり、空気中より被写界深度が深くなるし、数メートル以上離れたものを写すと言うのはあまり無いから、これで良いのだろう。これで写された素晴らしい水中写真は非常に多く発表されている。

水中では複雑な操作は大変なので、操作が簡単であるほど失敗が少なくなる。フラッシュを併用すると水中で0.9-1.3メートル、陸上で0.9から2.5メートルという守備範囲から見て、本来は1メートル前後で使うのを目的としているようだ。陸上でスナップに使おうとする私はとんでもない要求をしているのかもしれない。



上にはまさに何も無い。この大きなレバーがシャッターレバー、押すには随分力が必要で、注意しないとあっさり手ブレする。



後から見ると内部がわかる。完全な防水ハウジングと、内部は簡素な単速カメラ、使い捨てカメラに近いスペックである。



これがロック部。それこそ思い切り力を入れないとロックできないし開けない。簡易防水の現場カメラとは別世界だ。きちんとメンテナンスしていれば相当の耐久力があるだろう。



まさに簡単カメラそのもの。フイルム感度切り替えは100と400のみ。開閉ヒンジが片側が割れているので、パーマセルテープで止めた。これで十分使える。



単三電池2本なので、巻上げは非常に頼りない。一昔前のAFコンパクトカメラのようだ

《試写》

これでモノクロを写す人はほぼいないだろうから、ネガカラーで試した。例によってDNP200









☆予想通り、水上では使い捨てカメラに近い。それでも近距離はそこそこいけるし、逆光でもなかなか頑張る。ただし前述のとおりシャッターレバーが非常に重い。慣れないと手ブレの山だろう。しかし海辺でもどんな天候でも安心して使えるのは心強い。機会があれば水中で使ってみたくなった。


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