KONICA S

 コニカS、目立たない形をしたオーソドックスな露出計付き35o距離計連動カメラである。フラッグシップのコニカT、U、Vシリーズのような、独自性を正面に出したカメラではない。

 しかし、距離に連動してパララックス補正マークが移動するし、明るさに応じて露出計が露出の過不足を伝える点を追加されたので、機能としてはより高いものがある。



一応動くが、レンズが相当汚れているので、先ずはその清掃のためにレンズバレルの分解



前玉、後玉とも汚れとカビありだが、ひどいものではなく、オキシドールできれいになった



露出計の連動のため、リング類が結構複雑になっている



シャッターはきれいで速度の異常もないが、シャッター・絞りの各リングの内側に抵抗体を貼り付け、シューでこの抵抗値の変化を伝える部分のコンディションが悪い。接点復活剤などでも接触不良は解消しない。また、組み立てるのにこのシューが邪魔で極めて作業性が悪い。

私は露出計はほとんど不要だし、暗いところで使うことは先ず無いのでシューを切り落とし、露出計は単に明るさに応じて針が動くだけにした。定点合致式に連動しなくても目安にはなるからこれで十分だ。



底部は非常にシンプル



巻上げレバーの下の羽子板状の部品が痛んでいる。本来、中央は長穴で、巻上げトルクを軸に伝えるのだが、摩滅して巻き上げ出来ない。おそらく無理に巻こうとして壊したのだろう



手持ちの部品を使って修復。少し幅が狭いのはレバーを加工して対処









《試写》

アクロスにて







☆ごく一般的な操作性で、迷うことなく使える。車ならファミリーセダンと言う感じだ。淡々と仕事をきちんとこなすともいえよう。定評ある描写はさすがで、逆光でフレアが入らない所など見た感じをフイルムに記録すると言う点で優秀である。もっと見直されて良いカメラだ。


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