KOWA 6

 コルゲンコーワで御馴染みのコーワの120スクエア一眼レフ、KOWA66を頂いてしまった。当地のマジックショーを見学に来た一流マジシャンにして小児科医のプー博士から頂いたのである。「富士宮ヤキソバ+桜海老のお好み焼き(半分)」と引き換えではあまりにこちらばかり良い話になってしまったが、海老で鯛を釣るたとえもあるので、ありがたく拝領してしまった(笑)



 薬品会社の社長の趣味が昂じてカメラを作るようになってしまったコーワだが、楽器からバイクのヤマハの例同様に、好きだからこそ乗り出したジャンルなので、しっかりした物づくりで定評がある。今はカメラからほとんど手を引いているが、望遠鏡のジャンルではしっかり続いている。遊園地などの有料スコープにはコーワの製品が多いし、バードウオッチングなどのフィールドスコープは定評がある。



 頂いたのは初期型で、後のものとの違いはフイルムバック交換式では無い程度とのこと。このクラスのカメラでバックを次々に換えて写しまくることはほぼ無いので、軽量でトラブルが少ないのはむしろ美点だ。初期ブロニカなどとは異なり、レンズシャッター式なので、ハッセルやマミヤRBに近いと言えよう。85oF2.8の中判としては明るいレンズがついてきた。



 いわゆる「システムカメラ」だから、必要に応じてレンズやファインダーなどは違うタイプに組みかえられる。二箇所あるストラップ用のピンは、マミヤRBやフジカGL690などとほぼ同じサイズなので、それらのものを無改造で流用できる。









《試写》

完璧なコンディションなので、ちょっと清掃とタッチアップをしただけで、すぐにプレストにて試写した。









一枚目は開放にて。さすがにピントが薄いが描写はしっかりしている。あいにくの梅雨空で、晴れてもすっきりしない時期の試写だが、まさに堂々たる安定感で、どの絞りでも安心して使える。4枚目の富士山は肉眼よりはっきり見える感じだ。コントラストの良さでここまで再現できている。

☆二眼レフと比べて少し奥行きが長く、左右も多少広いが、高さは少し低い。レンズはシャッター組み込みで太いが、それでもペンタックス67のものとほぼ同じくらいだ。ちょっとコロコロして重い二眼レフという感じである。

 質実剛健で、しっかりした作りだ。二眼レフとほぼ同じポジションで使えるので扱いやすい。各部の仕上げには高級感があり、じっくり狙うのに良いカメラである。持ち歩くにはちょっと大きく、持ち出すには心の準備が必要なRB67やGX680と比べて、気楽に持ち出せ、気軽に扱える。フレネルの入ったファインダーは見やすく、操作が明快なので意外に速写できる。感覚的には良く出来た二眼レフと似ている。

 交換レンズがいろいろあるようだが、使ってみてこの85ミリが気に入ったので、特に欲しいとは思わない。被写体の主要部を切り取るのにはこの位の画角が使いやすいから、このカメラはその方向で使うつもりだ。

☆プー博士、素晴らしいカメラをありがとうございます。末永く大事にかつどんどん使わせていただきます。


June 2011


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