CANON FP

 1964年に作られた完全にマニュアル専用のFP、いわゆるFDマウントの二機種目だそうだ。何時から我家に転がっているのか定かではないが、どなたかから頂いたものなのは間違いない。135の一眼レフにはほとんど興味が無いので、テストもしないままだったようだ。



☆教え子にデザイン系の専門学校に通いだした奴がいて、「何でも良いからフイルムのマニュアルカメラを探して来い」というオーダーがあって私の所に相談に来た。そういえばこれがあるので、欲しければあげるという話になり、一応一本写してから渡そうと急ぎ働きで使ってみたと言うわけである。

 彼らの専門学校では、一年次前半にはデザインから写真まで業界の一通りの要素をざっと教え、その上で専門に別れるシステムとの事。そのため、写真もその一つとして取り上げられている。講師が外部の写真家で、基礎の基礎を教えたいから全てマニュアル、モノクロで写して暗室作業まで突貫工事で行うようだ。時間の制約のある中でも、手抜き無く教えたいと言うのだろう。安直な方法ではなく基礎を教えたいと言う熱意を感じた。

 私は機材とその扱い方については、最低限の手ほどきは出来るからバックアップすることにした。その先の「何をどのように」については彼らの個性に任す。私が口出しすべきではないし、出来ることでもないから。作品を見たら、単に好き嫌いのみ述べる予定だ。







あまり汚れてはいないが、先ずはレンズのお掃除。この時代のものらしくすべて分解できる。構造が明快で実に簡単に整備できる。プラスチックで固めて整備不能、アセンブリー交換のみの”現代”レンズと比べて、まだメーカーがまともだった時代・・



FL50o1.8、セレナー時代の写りだろうか









《試写》

試写はいつものアクロスにて









二枚目は一枚目の中心部。

☆このカメラは次の大ヒット作、FTbなどの原形、FXからTTLではない露出計を除いたものだそうだ。余分なものが無いのでデザイン的にすっきりしている。ファインダーなどその後のものと同様に明快で、なかなか使いやすい。体内露出計が組み込まれている私には、ニコンFを使っているのと同様、リズム良く使えた。

 一眼レフはレンズ交換が出来るから、画質を言うのはあまり意味が無いが、このレンズの評価としては「ちょっと懐かしい写りだが十分使える」である。後のFDシリーズほどの解像度は無いが、曖昧でもない。良いレンズだ。


☆N君、大いに活用してくれ。


July 2011


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