OLYMPUS PEN EES



先日来続けてハーフカメラをレストアしている。

 

 オートハーフ・ペンEES・キャディー・フジカドライブ四台と初代キヤノネット・キヤノネットQL17GVの6台まとめて 一台あたり900円に満たない価格、ジャンクとは言え値が崩れている。



 このケースで大体の程度は伝わるだろうが、全てそれなりだった。ペンはファインダーが汚れていて、赤べろが出ず、シャッターが 不安定という症状。このケースはウレタン塗装ですっきりリニューアルさせた。

 ペンEE、EESはクラシックカメラの基本として扱われるようだ。これらは市場に良く出ている。それだけ多く売れたヒットカメラ だからだと思う。ところが私はこのカメラを記事にしていない。縁が無いわけではなく、何台か手元を通り過ぎたのだがどうも使って みようという気分にならず、いつの間にか時間が経過していた。何はともあれ使ってみないと何も言えないので、使ってみた。



 「りり」が見張っているので安心して作業に入る・笑





 カウンターの逆ネジが外れない。無茶苦茶にきつくなっていた。CRCを滴下し、蛇腹カメラのタスキからスペシャルツールを作り 力いっぱい廻したら何とか緩んだ。時々無茶に閉まっているのがある(スキモノヤ氏)そうだ。 下はこのために作ったツール。雑だが材質がしっかりしているので力がかかっても曲がったりしない。



 その他は簡単に緩み、軍艦部を外す。予想通り油が枯れている。ファインダーは簡単にきれいになった。



 軽い給油で動作が不安定だった赤べろは、軽く動作するようになった。



 明るさに応じて絞り込まれる。シャッターは特に異常なく、軽い清掃で済んだ。













《試写》

 いつものアクロスにて。ピント調節はしたが露光は全てオートに任せ、逆光補正などは行わなかった。







 近いところから遠景まで、きちんと再現している。シャドー部がつぶれる事は無く、ハイライトが飛んだりしない。三枚目は掲載都合で 90度右に廻している。距離は1.6メートルで手前(この画面では左)に合わせている。こういうカットで見ると、ペンEEに比べて 至近距離と遠距離でピントが明らかに上回る。絞り込んでも本当にきちっとさせるには距離調節可能なEESは高性能と言える。

☆今回は一枚ごとに距離を合わせたが、明るい戸外のほとんどの撮影は5mに合わすだけで済んでしまう。簡単そのものだ。撮影して いると「昔、私もこれを使った」という話をよく聞く。カメラの普及に大いに貢献した名機の一台と言えよう。


June 2013

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