ZENZABRONICA C&EC
わずか一週間の間にブロニカを二機種預かった。おとにゃん師のCと
フォトグラファーnoBuさんのECである。
Cはレンズシャッター入りのレンズのシャッターを見て欲しい、という話だったので試写用のボディーに預かり、ECは
ブロニカマウントには珍しいツアイスのビオメターだから使ってみないかと言うことでお借りしたのだ。
残念ながらレンズの修理は出来なかった。フォーカルプーレーンであるC、S、S2やECにシンクロを高速で
使うためとレンズシャッターを組み込んである。これの正常動作がつかめないから無理だった。自分が分解したもの以外は
極めて修理が難しい。ごく簡単な部分でも全てパズルになってしまうからだ。
ECはシャッターが不調だった。見かけは正常動作だが、実はまともに開いていない。残像確認ではアパーチャーの
上側のほぼ半分が開いていない。完全開放する時があるごく低速ではバルブ動作になったり不安定そのもので撮影は
あきらめた。おそらく電子制御部ではなく機械的な故障だろう。先幕のスタートがずれていて、後幕と一緒になっている。
または後幕の係止が悪くて一緒に動き出してしまうのだろう。いずれにせよフォーカルプレーンシャッターでしかも
電子制御のものは私には全くわからないから直すのは無理だ。
ということだが、何もしないのは残念すぎるので使えるCボディーとビオメターを組み合わせて写すこととした。
C
EC
ZENZANON (ZEISS Jena Biometer) 80mm 2.8
《試写》
アクロスでとにかく一本写した。
☆近距離も遠距離も明快ですっきりした描写だ。ブロニカ用に多いニッコールのどこか太い描写とは違う。神経質では
ないがどこか繊細な描写だ。また、ツアイスに多い中〜低輝度部が落ちたトーンはカラーなら画面をしっくりさせると
想像がつく。もちろんピントに問題は無く、周辺までしっかり出ている。
☆私はブロニカに縁が無かった。もちろん手にする機会はあったし、本当に欲しいと思ったら手に入れていただろう。理由は
案外つまらない点だ。SやS2やCなどが巻上げの最後に段があり、ガチャッと壊れたんじゃないかと思うほどの音と、
手への強い衝撃があるからだった。巻上げが壊れたなんて話は聞かないからメカ的には問題ないだろう。しかし、私には
どうにもこれが我慢でき無かったのだ。
カメラとしての性能は申し分ない。操作はわかりやすく、使いやすい。今回のテストでECの音は改良されているのが
わかった。機械式のシャッターなら今もしっかり使える良いカメラである。これがあれば無意味に高価なのに壊れやすい
ハッセルブラッドなど必要ない。安くて信頼できるのだから。ただし私にはどちらも必要は無い。このフォーマットの
カメラは十分すぎるほどあるし、その中には惚れ込んで使うものがあるから。
・・・楽しめました。ありがとうございます>おとにゃんさん、noBuさん
November 2013