酒井特殊カメラ+kan Toyoview 45G +
先日報告したトヨビューの、横に転がっていた部品取りのジャンクについて、活用してくれる人(犠牲者とも沼に落ちた
人とも言う)が見つかったので、改造に着手した。
ツイッターで知り合った高専生のF君がターゲットだ。息子より孫に近い子に何を考えているって、沼に落とすこと(笑)
協力者あり、同じくツイッターで知り合った SovietLens氏だ。彼からレンズが完全なフジのW210oが提供されるから、
私は本体を仕上げ、前後のボードなどを作り、まとめて送ることとなった。
組み立ての素材として摺りガラスやマホガニーの薄板などを集めた。摺りガラスは馴染みのガラス屋で0円、こんな端材で
お金は取れないそうだ。マホガニーは自作機の余りだからコストは0円。
私のに奪ったので、前後のアダプターボードがない。これをそれらしく造る。素材は超広角4×5カメラの残骸と、この
ベニア板である。鳥居の枠ぴったりに切り出した。
右がレンズ、左がピントグラス+フイルムアダプター用で、本体との結合はこれらが受け持ち、その前後に加工する。
このフロントボードがベニアに接着される。汎用性があるように、リンホフボードの大きさに穴を広げ、リンホフボードに
合わせてマホガニーの薄板で枠を作った。ボード止め金具はたまたまあったものを流用、すっきり(当社比)仕上がった。
穴あけが済んだので貼り付け、乾燥後にヤスリで削ってすっきりさせた。
完成図。厚みは1センチ近くあるから強度に不安はない。全て接着だが、念のため木ネジで止めた。鳥居の溝にはまる
ように、細い棒を枠に合わせて接着してある。
だいぶ加工が進んでから写した。昔の4×5規格のバックを、現在のホルダーに合わせてかさ上げした。残念ながら適当な
バネがないので、ピントグラスもフイルムホルダーもスライドして入れてロックするスタイルにした。現状ではポラロイド
などその他のバックを使えないから、使いたくなったら彼がうまく加工する、と期待した。
フイルムバック部。加工はフロントと同様。
ピントグラスを作る。ホルダーを一つ犠牲にしてピントグラスを作る。分解してフイルム位置に摺りガラスを入れれば、
まさに誤差ゼロの100%ファインダーがでっち上がる。使い易さは別として。
ガラスを必要サイズに切る。このくらいの大きさだと簡単だ。小さいものは意外に難しいのだ。
完成。原理的にはあらゆる4×5カメラでピントを確認できる優れものだ。実際にはほとんどの機種がピングラは外れない
から使えないというのは置いといて。
《総括》
この作業の他、蛇腹がプラネタリウム状態だったので徹底的にウレタン塗装した。また、鳥居周りはひどい状態だったので
使える程度に直したが、それ程のことでもないので記録していない。
前板も後板も金さえ出せば手に入る。確かにその通りだが、根がケチだし、オリジナルで作るのが楽しいからいろいろ
遊んだ。老化防止の頭の体操、有意義だった。この先はF君がいろいろ工夫するだろう。使える範囲の最低限という目標は
達成できたと思う。
☆楽しかったよ、ぜひ活用してください>F君
December 2013