MAMIYA6 WS (S KOMINAR)
マミヤ6は第二次大戦前に発売され、戦後も改良しながら作られ続けたから多くの仲間がある。共通なのは優秀な
バックフォーカシングと堅牢なボディーか。また、ズイコーなど自社のセコールからオリンパスズイコーまでさまざまな
レンズを塔載している。また、シャッター周りの規格を守っていたので、容易に75oレンズを乗せかえられた。(私の
マミヤ6の一台はフジカ6のレンズを無調整で乗せてしっかり使えている)
これはその中の比較的後期の4Sだが、レンズは日東光学のSコミナーがついている。目立たない会社だがOEMメーカー
として優秀なレンズを送り出しているので、ちょっと期待して手に入れた。コミナーには75oの引伸ばしレンズが
あるが、MAMIYA S KOMINAR と書かれているから、マミヤで設定した正規のものだろう。現在のマミヤのカメラ説明では
このレンズの存在は確認できなかった。
特に問題は無いが、ファインダーが曇っていたので分解。簡単にきれいになり、距離計もクリアーになった。
ファーカスギアを廻すと、距離計のプリズムとフイルム押さえ板部が同時に動く。簡単明瞭で良く出来たシステムだ。
機種によってはシャッターボタンからレバーが伸びて、レリーズするとファインダーに二重露出警告の赤マークを
出すためのレバーなどがあるが、この機種では省略されている。
シャッターはプロンタータイプのコパルMXV、特に問題ないので清掃と給油のみ実施。
単なる確認用なので、赤窓にはスプリングが入っている。
フイルム押さえは蝶番式なので、板を無くす心配は無い。
*ここで報告したのでアイレットを取り付ける予定
取り付けてみた。特に違和感が無いと思う。私は基本的にケースは使いたくないので、格段に使いやすくなった。
《試写》
いつもの通りアクロスにて
レンズもシャッターもコンディションが良いのでクリアーだ。周辺落ちはほとんど無く、開放から絞込みまで全て
揃った。作品的価値は別だが、写真としては12カット全て使えるレベル。
☆期待以上の結果である。廉価版のかけらも無く、実に堂々とすっきりした描写だ。開放でも逆光でも破綻は無い。現代
レンズに比べれば多少甘いかな程度で、一般的な鑑賞サイズ(L判から四つ切くらい)までなら135oカメラとは格が違うと
言える。
あらためて日本のカメラ・レンズは優秀だと実感した。写してみなけりゃわからない・・・
December 2013