MKS MIZUHO 6 V(NEOCA)



 新年一発目はミズホ6V、後にネオカとなって消えたミズホ光機製作所の代表的なフォールディングカメラだ。距離計を 塔載しているが、単独動作で連動はしない。(高級タイプは連動式)

 特に壊れたところは無いが、シャッター不調とファインダー清掃が必要そうなので一通りの整備をしてみた。





 マミヤ6用のフードとフィルターが付属していた。



 レンズバレルは簡単に外せた。セットリングの周りが広く、ツールで蛇腹を痛め難い構造で良くできている。



 シャッターはプロンタータイプで給油したら好調になり、特に問題ない。セルフタイマーつきで材質が良い。 最高速は1/200秒で実用的には十分だ。前玉回転式のフォーカシングだが、グリスが固着したりしていなくてガタが無く、 組み立て精度が高いと感じる。



 残念ながら後フタの皮が痛んで一部が失われている。残ったものは貼り直し、原型を損ねないようにして補修した。



 軍艦部を開こうとしたが、右側のフォーカスノブが外れない。外からの清掃で使えるようになったので深追いは避けた。 距離計は動いているし、ファインダーはそれ程汚れていないので実用には問題ない。

 不思議なのは距離計は3フィートまであるのだが、レンズは4.5フィートまでしか使えない。近距離ではこの差が大きく ちょっと使いにくい。被写界深度だけでは説明できないから、他機種との部品流用の結果だろう。



 前板カバーはなぜかマミヤ6のものが貼られている。剥れたので適当に手持ちを貼ったのだろう。痛んだフードを 何度も補修しているし、元の持ち主は長い間大事にしていたと感じたので、これはそのまま(隙間は埋めて)残した。



 ルビノン・アナスチグマットC・80o3.5、傷は無くなかなかきれいなレンズだ。











 赤窓が二個あり、66と645が簡単に切り替えられる。組み込まれているのでマスクをなくす心配は無い。



《試写》

 アクロスにて実施



 ほぼ最短絞り開放で肥料の袋を写した



 順光の無限遠。富士山にはもやがかかっている



 逆光で太陽が画面外の直ぐ上にある条件

 当然ながら35oのネオカに似ている。格別ピントが良いわけでは無いが、周辺落ちが少なく、中央と周辺での描写の差が 少ない。コントラストが強かったり激しい逆光でも目で見たものと違和感が無い落ち着いた描写をする。ツァイスの ノバーに似て、暗いところが現実より暗くなる傾向がある。現代レンズのきりきりとしたピントは無いが、見ていて ほっとする描写・コントラストである。ネガカラーで使うのに良さそうだ。

☆前回のマミヤ6+コミナーでも感じたが、写してみなけりゃわからない。日本のカメラ・レンズは優秀だと思う。


January 2014

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