MINOLTA 16-MG
ミノルタの16MG、ほぼ完成形の16oミニカメラ。前回報告のマミヤ16の画質は低かった。16oはこんなものでは
無いだろうと思った。あちこちで画像を見るミノルタのものなら納得行くかとMGを手に入れた。
千円にも満たない価格で簡単に手に入った。しかし、専用マガジンが手に入らない。オークションではなかなか
出てこない上、せっかく紹介されたものは仕事中でビットし忘れた。
一度だけテストするなら、ストリップフイルムをダークバッグで適当に詰め込めば可能だが、安定して使って
見たいので各方面に声をかけた。結局、ツイッターでつながっている
北海道のtri_chromeさんから二つもいただけた。「最低限二本無いと連続して写せない。スペアも必要だろう」
という本気で写す人の御心遣いがありがたい。
きちんと動作しているので特に直す所は無い。清掃とモルト交換のみ行った。
まさに「マガジンぽんっ」で使える。なかなか洗練されたシステムだ。しかもマガジンは再利用を前提としている。
フイルムを切り出しさえすれば、供給側に巻いて入れるだけ、実に簡単だ。(供給側は軸が無い)
固定焦点のパンフォーカスだが、1.5メートル用の近接レンズが組み込まれている。
ロッコール20o2.8、画角が狭すぎず使いやすい。
こちら側はシンクロターミナルのみ。
巻上げは軽くスムーズ。
セレン露出計の示す位置に針を合わせる追針式プログラムシャッター。ユニオマットやレポなどこの時期のミノルタ
共通仕様。感度は100固定なので補正はカン。
35oフイルムから切り出す簡易装置というか、棒にカッターの刃(矢印)を接着しただけ。この刃と下の棒でパトローネ
を挟むのでパトローネはゴム系接着剤でチョン付けすれば位置が決まる。
ダークバッグ内で棒の長さまで二回引き出す。36枚のフイルムだと3本分くらいになる。作業はごく簡単で一本作る
のに5分はかからない。マガジンは上下の余裕があるから厳密な幅あわせはいらない。現像は標準長さならメビウスの
輪にして貼り付け、タンクにて行うのが楽(おとにゃん先達より)
《試写》
本体とマガジンの機能テストでプレストで実施。SPDの高温現像なので粒状性は期待できない
ネガカラーは富士の業務用400、雨の中でのテスト
固定焦点は3ー5m程度と聞いていたが、この結果もそれを裏付けている。3ー5メートルのスナップが一番得意だが、
遠距離は被写界深度で稼いでいてL判なら使えるレベル。フイルムの大きさを考えれば文句は無い。これなら
日常スナップに十分だ。20ミリはフォーカスするとしてもごくわずかの移動量で、フイルム押さえは巻上げ
テンション任せなのであまり意味が無い。固定焦点で十分だろう。
1.5m用の近接アタッチメントレンズはピント的には多少改善するが、画質が低下するのであまり有効とは
言い難い。これを使うとフレアーが増えるので逆光に弱くなるのも困ったものだ。どうせならスパイ映画のような
盗撮による秘密の複写に使いやすい距離、机に置いた文献複写のレンズを組み込んでいる方が良いと思う。
このための専用複写レンズがいろいろ用意されているが、手に入れにくいし持ち歩くのは不便だから有用性は
低い。専用フラッシュなどもあるが、フラッシュバルブだからもはや実用品ではない(私はいろいろバルブを
持っているが、もったいなくて使えない・笑)
☆16oが実用か否かだが、プリントならL判、ウエブなら600ピクセル位までは十分使える。ごく小さく軽い本体
は日常的な持ち歩きが苦にならない。このような観点から「使える」と結論した。
一枚目の遠景で昔のニュース映画の静止画像を思い出した。この程度の画質でも一秒間に10-30カットが
流れれば。残像効果でしっかりした画像に見えるだろう。モノクロ画像がなんか懐かしいと感じたのは、あの
頃の記憶が元だった。
おかげで楽しめます。ありがとうございました>tri_chromeさん
July 2014