MAMIYA MAMIYA6 P(後期)
マミヤ6、このカメラは何台目なのか。少なくとも私にとって二桁を越える一台であるのは間違いない。
前回報告のプリモフレックスのレンズテストのために爺さん様の手でこれにトーコーが一時的に乗っていた。
プリモ・トーコーを使ってみたかったのでついでにテストさせていただいた。
どこも異常は無いので、レストアというより使い勝手向上と外観アップのみ。マミヤ6にはアイレットが無い。この
時代のフォールディングカメラはケースを付けて使うのが基本のようだ。借り物にアイレットを増設するわけ
にはいかないので、手持ちの旧タイプケースを変更して適合させた。いろいろ手間だったがアップしても何の
参考にもならないので作業内容は割愛する。まあちょっとした皮細工。
セコール75o。標準タイプはズイコーだからこちらは廉価版と言う設定だが
66-645のフレーム変換が内臓枠と赤窓選択で切り替えられる。単純だが枠をなくさないから良い構造だ。
後期のものなので下側はシンプル
《試写》
プレストにて実施
トーンは良いがピントがずれている。これでは使えないのでピントグラスで確認したら、大幅に前ピンで
無限遠は出ていない。レンズバレルを確認したら、0.5o以上ずれていた。原因は他のカメラに乗せ換えたときに
臨時で付けられていた厚いスペーサー。これを外し、ピントグラスと距離計を1.5mと無限でほぼ合うように
調整して事なきを得た。
順光はもちろん、絞りを開けた逆光でも破綻無くしっかりした画像になった。ハイコントラストの場面でも
暗いところが潰れずしっかり出る。
☆マミヤプレスは「職業写真家の飯の種」と呼ばれていた。質実剛健、確実に被写体を写し撮るので、信頼され、
使われてきた事を指すほめ言葉だ。その伝で言えば、マミヤ6は「アマチュアの最強兵器」か。レンズ交換できない
から職業として使うには応用範囲が狭いが、使いやすく頑強なボディーと確実な仕事をするレンズを乗せた名機
と呼べるだろう。
ただしマミヤ6は全般的に軍艦部のメッキの材質が悪い。錆が出やすく、錆落しをすると下地が出てしまう。この
点だけはいかにも安っぽくなるのでいただけない。また、皮の接着が悪く、前フタのネームがついた皮が脱落している
ものが多い。時代的な材質の悪さだろうが、ちょっと残念な点だ。
その中でこのタイプPはセミオートロードを外し、赤窓にしてレンズは自家製のセコールでコストダウンした
普及機だが、描写はズイコー塔載などに負けない。赤窓は絶対確実で壊れないから信頼性が高い。機械は単純なほど
信用できる。そんな一台だろう。
マミヤ・セコール、さすがですね。>爺さん様
October 2014