New MAMIYA 6

   初代マミヤ6はマミヤを代表する初期の傑作、それを現代風の新設計で出したのがNew MAMIAYA6だ。作られたのは1989-1999の約10 年間で、67のMAMIYA7に発展した。



 これも暖さんから拝領。いまだに高価で取引されていて、とても手が出るものではない。使ってみなければ何も言えないと思うので 真にありがたい。



 初代は蛇腹によるフォールディングカメラだが、これもその血を引いていて、連動式レンジファインダーと蛇腹による沈胴式だ。 外から蛇腹の存在は全くわからないのだが、内部で遮光に蛇腹を使う狙いは、重量増加より確実な機能を求めたのだろう。マミヤ らしい構造である。蛇腹は内面反射防止にも役立っている。




この効果はなかなかのもので、縮むのは14oほどと少ないが、持ち運びには効果的だ。もちろん沈胴している時は レリーズやレンズ交換など一切ロックされているから誤作動の心配は無い。



 手に余るほど大きくなく、似た形式のフジカ645シリーズと大差ない大きさだ。ただし、重さはこちらの方が重い。しかし、 今時の”高級デジタル一眼レフ”に大口径ズームをつけたものと大差ないか、むしろ下回る大きさ、重さなので不満は無い。

 非常に見やすいファインダーも相俟って使いやすい。これらが評価されて、名機マミヤ7に発展した のだが、個人的には67フォーマットは使いにくく、スクエアの6がより好もしい。

 露光システムは絞り優先のAE、ロック付AEを備える。露出計受光部がファインダー組み込みで、レンズ画角に連動しないから、 広角でスポット、標準で中央部重点、望遠で平均測光になってしまうのと、選ばれたシャッター速度表示が極めて見難い。撮影では 空など明るい部分と下に向けた時の違いを確認しながら設定する必要がある。単純にカメラ任せだとアンダーになりやすい。今回の 試写は全てマニュアル設定で行った。レンズ用のフレームは自動的に変わる。



 用意されたレンズは50-75-150oの三種類で、一眼レフでは無いからフランジバックを伸ばす無理は不要。明るさを欲張って はいない。よって軽く小さく、35o一眼レフカメラ用と大差ない大きさだ。できればマミヤ7のレンズをアダプターを介して使いたい ものだが、そのようなアダプターは存在しない。形式が似ていても電子制御レンズシャッターで電池の電圧が異なるから無理だろう。



 底部にはレンズ交換のためのスクリーンの操作部と電池ボックスが見える。電池はLR44、SR44が二個必要で、この点は 4LR44、4SR44を使うマミヤ7とは異なる。安い電池が使えるのはありがたいところか。



 スタートマーク式であり、回転式で120と220を切り替える、フイルムリールのレバー操作など、内部構造はマミヤ7と同一だ。



 背面は標準的。懐かしのアグファAPXのフイルム箱が入っていたので、そのままにした

《試写》

 残り少なくなったプレストにて

75o







50o







 どちらも周辺までピントや光量に問題ない。マミヤ名だがセコール伝統の安定感のある画像だ。無理にエッジを立たせるような 雰囲気ではなく、大判レンズに似た軟調でどっしりと写す。ネガで見てもヒストグラムで見ても諧調が満遍なく写されている。 これをベースに、好みのトーンに焼いてくださいと言っているようだ。

☆銀塩カメラの距離計連動式として、一つの典型、頂点だと思う。盛り込まれた機能に過不足ない。露出はオートでもどこに向けて 値を得るか作者が考えて決められるし、マニュアルで考えても良い。ピントは好みの位置を自分で決める。巻上げは自分の手で 確実にと中判に求められる作り込みをカメラが求める。使っていて、一枚一枚が自分とカメラの勝負というのが良い。名機だ。

☆じっくり名機を楽しめます。ありがとうございます>暖さん


March 2015


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