A-Power ZEROIMAGE

 ポラロイドからスピンオフした人が作ったA-PowerのZEROIMAGE、大きいネーミングだが要するに針穴写真機、 ピンホールカメラである。



 Sコレクションで写してみないかと渡されたのでテストしてみた。これはスライド式のシャッターを開いたところ。



このカメラの最大ポイントはこのピンホールだ。普通は0.2-0.3oだが、0.18oと小さく、拡大してみると きちんときれいに開けられている。ピンホールカメラの精密度は穴の直径と形の精密度、写す媒体の大きさで決まる。 歪んでいたりバリがあったりすると画像に直接的に影響する。このカメラのように120フイルムの66だと拡大して 鑑賞するのが普通だから、よくわかった上でのつくりである。



 後には簡易露出表があるが、わかりにくいので私は経験則で写した。100のフイルムで1/125秒F11で写す場合に F256程度と見て6-8段程度と換算すればよい。400のフイルムだと明るい所で数秒、曇りで10秒-20秒、室内では30ー90秒 程度である。少し違いがあっても、割合としては共用範囲、焼きや後処理で調整可能だからモノクロはやさしい。 カラーも意外にいけるはず。





上フタを外すと後板も抜けてくる。フイルム交換は容易い。ピンホールカメラで厳密なフイルム面の保持は要らない。 ピンホール位置からフイルム面を等距離にする(上下は無理なのでカーブのみ)方が、広角歪みと輝度差が減って 好ましい。理想はフイルム面が半球だからフイルム押さえは必要ない。テンションは軸に付いたバネが受け持つ。

《試写》

 C-41現像でT400CNにて実施した。



 通行量が結構ある工場地帯。撮影中に数台のトラックが通過したが、画面上では平均化されて写らない。



 三脚をあまり伸ばさず足元を狙ったら、三脚まで写った。



 66なのでそれほどではないだろうと予想したが、どれもしっかり写った。

☆ピンホールからフイルム面まで約30o、35oカメラ換算だと約16oになる。対角魚眼に近い。曇り日だったので フラットな光が幸いして、周辺落ちはひどくない。これだけ写れば使える。気軽に対角魚眼のパンフォーカスを ノスタルジックな画質でで楽しめる。ただしファインダーが無い(高いタイプには付属する)から画角の見切りはほぼ 不可能。簡単なフレームファインダーなど用意すべきか。まあカメラの性格上それ程気になるものではないが、せめて 画面中心を知るサイトは欲しい。

 通常はこのまま使い、時には大判カメラに印画紙をセットして、裏フタを外した状態でフロントスタンダードに取り 付けて写す(その後は印画紙を反転して取り込む、又はもう一枚の印画紙と密着転写)と、このピンホールの精度が最大限に 使えるから面白いと思う。


 見かけと違って使えますね、面白いです>Sさん


June 2015


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