リコーのダイアコードG、他社と異なりコードが上級機でフレックスが普及機だが、その中期のもの。
これは私の読者のM氏から拝領した二台のうちの一台だ。氏によると後玉の曇りを軽く研磨してあるとのこと。私が
見た限り平面性に問題は無い。後玉が曇っているのはフレアー大発生の元だ。一面だけなら研磨の効果が最も期待できる。
氏はベテランだからその辺に抜かりはないだろう。
M氏によると、ダイアコードのリケノンは後玉が曇っているものが多く、M氏は3台手に入れて3台とも曇っていたというから、
材質に原因があると考えられる。購入される方はその点を注意すべきだろう。
その他は全面の貼り皮をビニール系で交換してあるとのこと。これは全く問題ない。全体としてはきれいで、しっかり使える
予感がした。
リケノン80o3.5、リコーだからOEMだが、期待できる雰囲気だ。
スタートマークで巻上げ開始、スタートマークで後ろを閉めて巻き上げると1が出るセミオートマット。セルフコッキングは無い。
ヘリコイドによるレバー式フォーカシングなどこの時代のリコーらしい構造だ。
アクセサリーシューはホットシューになっている。
ピント調整がレバーなので、右側には巻き上げノブとカウンター窓だけ。
赤窓は無い。スクリーンは明るく周辺まで見やすい。
ウラブタロックは平均的なもの。35oフイルム用のキンに対応するため、フイルム押さえのノブが大きい。
内面反射防止のリブが複数ある。良好なコントラストが期待できる。
《試写》
アクロスにて実施。素材はほとんど隣町
一枚目は開放描写、これは再研磨でやっちまったかと思ったが、やっちまったのは自分だった。おそらく手ブレだろう。
二枚目はじっくり合わせて写したものだが全く問題ない。開放・近接できちんと写っている。もちろん明るい遠景はしっかり
出ている。この時代の二眼レフとして文句無いところだ。
☆私の属するJFCには「リコーに外れなし」という合言葉がある。機構としていろいろ問題があったとしても、きちんと整備
すれば、結果で裏切られる事が無いという意味だ。今回もこの結果で証明できたと思う。
個人的にベストの固定レンズ二眼レフはローライではない。確かに良いレンズを積んだカメラだが、機構としてベストでは
無いからだ。経年劣化で狂いやすい前板繰り出しの勾玉カム、一度曲げてから巻く方式で画面が落ち着きにくい巻上げ機構、
何より日本人のドイツ製品崇拝を見越して理不尽な価格設定・・・
リコーダイヤシリーズは大型ヘリコイドの採用でガタが出にくくフォーカシングに不安が無い。残念ながら巻上げはローライ式
だが、全体としての使い勝手が良い。OEMのレンズはしっかり吟味されていて、描写に不安が無い。
安いのに良いカメラ、本質こそ命
☆大丈夫、しっかり使えます。ありがとうございました>Mさん
August 2015