PETRI 35 (2.8)
ペトリ35、いろいろバリエーションがあるがこれは2.8のもの。Kzさんより。机にプライヤーが出ているのは前玉が固かったから
養生して廻すのに一瞬使ったため。ちょっと握力が落ちたのを感じる。この手の強力なツールは挟み潰すのが怖いから極力避けるべし。
握った感触で力加減がわからない向きは使ってはいけない。致命的に壊すことになる。
シャッターがちょっと不調ということだったが、潤滑不足と羽根油だけだった。根本故障は無いからさらっと完了
典型的な裏巻のプロンタータイプ、真面目な作りだ
後玉の曇りを取る。カビというほどでもなく、クリアーになった
念のため下周りも点検。非常に簡単な構造でこれなら壊れそうな所はない。
オリコール45o2.8、この頃のペトリは少しずつ明るさの違うレンズをいろいろ乗せている。2.8は廉価版というところか。しかし
機能的にはレンズに関わらずほぼ同じだ。この頃のレンズには栗林(Kuribayashi)の表記がある。
アイレスなどこの頃のカメラ共通の、Mライカに通ずる端正な顔
捻るだけで外れる前玉、レンズバレルの止め方などは中判カメラと共通する。栗林の歴史を感じる構造
軍艦部には露出早見表が付いている。単体露出計の時代、露出は経験で決めていた人が多い時代
《試写》
これもイルフォードFP4+にて
オリコールは強い個性はないが、淡々と記録する。遠景も近景もピント感がある。コントラストが付きすぎるわけでは
なく、そこそこくっきりだ。どちらかと言えば近距離が得意だ。モノクロよりネガカラーで家族の良き日を写すなど
が向くのではないだろうか。
☆このシリーズはひょうきんなカメラが多いペトリとしては、らしさがやや希薄で全てにわたって平均的だ。強烈な個性とは
無縁で、普通に写して普通に楽しむカメラ、そんな気がする。戦前から真面目な中判カメラを作ってきた栗林のイメージが
色濃く残っていて、その後の良く言えば革新的、悪く言えば一機種出すごとに変わって迷走し、ついには消えたのを
思い起こさせるところはない。
☆ペトリだけど普通、ですね>Kzさん
November 2015