MAMIYAFLEX C 330



 0番シャッター、SEIKO SVが今回の主役。マミヤC330の105o用で、近くに住むT氏の依頼で挑戦した。



 シャッターが非常に遅く使えないということで、給油して数回見ているうちに音はすれども羽根が開かなくなった。我家に 持ち帰って超音波洗浄したが改善無し。どうも矢印のところの羽根の起動部が悪いようだ。セクターリングが開き動作していない。 どうにもならないので、これは気長に直すとして、代替品で使えるようにしようと我家のジャンクボックスを漁った。

 0番でフランジバックが同じか短いものということでいくつか候補を探したが、セルフコッキング部と干渉したり、ネジピッチが 合わないなどなかなか良いものが無い。一先ずフランジバックなどが合う私のCプロ初代用の105oから借用を模索したが、 チャージレバーとレリーズレバーの幅が狭く、セルフコッキングアームやビューレンズに干渉してどうにもならない。他の メーカー製(コパルなど)は、フランジバックやシャッターセット方向とレバー位置などワンオフ改造しても無理と判明。



 同じマミヤ、同時代のマミヤプレス用65oがほとんど同じレバー配置なので、これを流用してみたらセルフコッキングまで ぴったり使える。と言うことでこれを組み込んで見た。フランジバックの微調整はシムでほとんど問題ないところまで合わせた。





 完成、一つだけ問題あり。このレンズは開放3.5だが、このシャッターは絞りが6.8までに設定されていて、完全には開かない。 T氏は「ボケ味命、何でも絞り開放党」では無い。それに、昼間撮影主体なら問題ないので、このシャッターで作業を進めた。



 レンズだけでなく、ファインダー周りやウラブタも交換式で、ポロプリズムのアイレベルファインダーやフルマットのピントグラス、 一枚撮りバックに交換できる。レンズは330シリーズ専用が必要で、初代などとは互換性が無い。これはフランジバックなどは同一だが レンズロック部分が左右逆になっていること、前述のシャッターセットレバーとレリーズレバーのセット角度が合わないからだ。 基本的に330のレンズを改造して初代や2シリーズ用にする事は可能だが、その反対は、本体側のセルフコッキング部を取り外さないと 干渉して使えない。よって、専用シャッターユニットが無ければ事実上無理だ。



 その他で補修はウラブタの光漏れ防止のモルトを遮光紙に交換、各部を軽く磨いて良しとした。















《試写》

 あいにくの曇り空なので、プレストにて









 2枚目は6.8一杯に開いた。それでも開放からほぼ2段絞っていることになるが、きちっと出ている。4枚目は流したので少し ぶれている。トーンは全く問題ない。

☆C330はマミヤフレックスCシリーズの完成形。この後、マイナーチェンジのfと、ボディーがプラスチックになったSで 終わっている。セルフコッキングを採用し、しっかりしたパララックス矯正マークなど機能として申し分ない。セコールも良い 仕事をするから、じっくり被写体と向き合って写すのに適した二眼レフだ。

 故障したシャッターは今後も復活をはかるが、今までの整備経験から言うと、残念ながら可能性は限りなくゼロに近い。 このレンズのレンズが駄目なジャンクがいつの日にか手に入るのを期待する。


☆大いに楽しんで下さい>Tさん


January 2016


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