RICOH RICOLET(再)
リコーのリコレット、リコーイメージングに詳しい仕様がある。
これはKazさんのもので、以前のテストでは急ぎのネガカラー一本だけだったので整備を兼ねて預かった。
シャッターがちょっとぐずついている程度、一番不安だった固着しているのが多いヘリコイドは何とか動いた。先ずは前玉を
外す。前玉回転式なので無限位置の確認は欠かせない。またイモネジは固くなっていたので、外した後にオイルをつけて
軽く回るようにした。ネジに給油すると確実に締まり、緩むようになるのでこれも欠かせない作業だ。
前玉とヘリコイドベースの中玉、それにレバーのカバー類。この時点でヘリコイドを清掃してシリコングリスを入れた。これで
今後数十年は固着する事は無いだろう。
リコー特有の構造のシャッター。清掃給油し、羽根を掃除して動作が軽くなった。1/25秒など低速はガバナー部が軽過ぎて
最高速(と言っても1/100秒)と大差ないが、実質的に1/100秒で使うから問題ない。
以前にも書いているが、このシャッターのセットレバーはレバー比が逆で、小さい動きと大きいトルクで長いレバーに力を与え、
その先端でシャッターを開閉する。この構造のおかげでスタックしやすく、油切れなどに弱い。常にメンテナンスが必要で
機構的には弱い。後にプンタータイプを採用したのはその対策だろう。
Bで動作させている。この状態で絞りや後玉を清掃する。
リコー・アナスチグマット、45o3.5は富岡のレンズだ。このカメラの前玉式かつ古いのになかなか写るという評価は
このレンズが担っている。
ボディーの骨格やウラブタはずっと後のジェットまで共通で、ウラブタは全て共用できるとか。サイズ感が変わらないのは
その共通性のためか
《試写》
曇りだったのでプレストを使った。晴れたら100のフイルムで無いと使いにくい。
曇りだったので、3枚目以外は絞りが開放に近い。近距離目測でもきちんと被写体のニュアンスが出る。明るい遠距離では
ちょっとフレアーを感じるが上品だ。
レンズの渋い写りがこのカメラの価値だと思う。強いコントラストはないが、暗い方のトーンの豊富さで表現できる。
やはり「リコーに外れ無し」だと感じる。
☆意外に使えますね>Kazさん
March 2016