ZEISS IKOFLEX Ta (2)
イコフレックスTaは以前に報告している。これはnoBuさんからの依頼で補修した。前回の報告では内部は見せていないので
ここに再報告する。
スマートな外観だが戦前のもので、今回は大分痛んでいる。特にフォーカスが固いのでサイドを開くことになった。
劣化しているが何とか革をほぼ剥がせた。通常のタイプと違ってこれだけ外さないとカバーが外せない。
左サイド。勾玉カムは普通のタイプとは異なるが機能的には同じ。非常に固くなっているので清掃してグリスアップ
右サイド。巻き上げ部は外さなくて良いが緩めて浮かせないとカバーが外せない。この状態だと内部的にシャッターを
押す事ができるが、そうすると上のシャフトから外れてしまう。ローライの特許をかいくぐる工夫だと思うがカウンターは
普通の円板タイプとは大分異なる。
一枚目を赤窓で出したら、カウンターのプレートを右に廻すと1が出てシャッターが切れる。ただし、ピントフードを
開かないとシャッターを押せない。シャッターの整備でもこの操作をしないとからシャッターを切れない。途中で1に戻す
操作は出来ない。なかなか面倒な仕様だ。清掃して給油脂
シャッターは特に問題なし。羽根の清掃のみ。その他革などを整備して完了
《試写》
FORTE PAN100にて実施
特に問題なく12カット失敗なし。光に応じてコントラストが変化する。素直で正確なレンズ(OPTON TESSAR 75mm)だ
☆前回のテストよりコントラストが高い。オプトンテッサーは分家で、本家に劣るという説もあったが、それは正しくない。
20世紀初頭に発明され、後継は多くのカメラに搭載されて「普通によく写る」レンズとして珍重されて来たのは伊達ではない。
3群4枚と少ない枚数とゆったりした空間でコンパクトで信頼できる画像を提供し続けている。このカメラにもその一つが
乗っている。
☆実用に問題無しです>noBuさん
MAY 2016