Zeh Zecaflex

Zeh Zecaflex (写真は後日掲載)

 Zecaflexはドイツのカメラ。カメラペディアによると、  「ツェーは1920−30年代のドイツのカメラメーカーで、名前は創業者による。有名なのは独特の構造のフォールディング 66二眼レフである。その他34なども作っていて、別名で出ているものもある。」

 Sコレクションでこれを見て、面白いのでお借りして使ってみた。実は、修理したカウンター以外の全体写真を忘れて返却 してしまったので、全体の写真は後日追加掲載する。 どんなものかを見たい方はCassic Camerasでご覧頂きたい。


カウンターが6で止まっていて動かないので分解した。カバー周りは4本のネジで、これが完全に錆び付いていて面倒だった。



 巻上げノブで常にカウンター文字盤が進む。赤窓で1を出したらリセットレバーを押すと1になるタイプ。ブリラントなどと 基本的に同じだ。巻上げに応じて文字盤の数字の間隔が狭くなり、裏紙込みの厚みに対応しているが、今のフイルムだと進みが 少なく、コマ間隔が不足しがちなので、試写では赤窓で運用した。ダミーフイルムで赤窓で確認しながらサインペンでジャスト のところに点を打てば今のフイルムでも完全に使える。

 ゴミと油切れだったので簡単に復活したが、巻き上げノブを外さねばカウンターがバーが外せないので、この組付けに苦労した。 逆転防止バネとカウンター駆動ギアの勘合などが難しい。レストアではこう組めば良いとわかっていてもなかなか入らないという のは良くあること。頭を使ってしっかり位置を確認するのがコツだろうか。むしろ意地でも組むという意志の方が大事かも知れない。

☆以下に各面の写真を入れる予定。レンズはシュナイダーのクセナー75oを塔載していた。



《試写》

 試写はアグファのAPX400にて









 ピントや解像、コントラストなど申し分ない。三枚目のような暗いところ(開放・最接近)でもきちんと出た。

☆69のフォーディングカメラを縦にして、レール式で前板を繰り出し、その上に焦点距離が異なるビューレンズとレフボックスを 合体したユニークなカメラ。別々のカムで上下が連動するように作られている。ビュー焦点距離が短いのでピントグラスは画角に 合わせてコンパクトになっている。複雑かつ巧妙な手により二眼レフのピント合わせの正確さとフォールディングカメラの コンパクトさを実現している。

 レンズは優秀で、開放からきちんと出る。十分今に通用する性能だ。明るいところであればファインダーは見易いのでピント 合わせに困ることは無い。ただし、コントラストの低い場面では、ビューレンズの焦点距離が短いのでピントの山が見えにくい。 速写にはちょっと不便だった。

 4枚目は片ボケしている。これは折りたたみ時に左右独立したロック解除ボタンがあり、不用意にこの片側に触ってしまった 結果だ。片側は正しいのでピントグラスでは気がつきにくい。構造上の欠点だが、運用では注意すべきだ。

 66二眼レフの一般的なものとの比較は微妙だ。上回るのは畳んだ時の可搬性だけだろう。重さや縦の大きさ、操作の複雑さなどは 劣る。シャッターレバーなども速写には向かない。

 とは言え、これを使うのは面白い。操作するのが楽しい。それだけで十分存在価値がある、そんなカメラだ。


☆意外なほど実用的です>Sさん


June 2016


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