BEIER BEIRETTEvs

 バイレッテは戦後から80年代まで作られた35o固定鏡筒カメラ。同名のフォールディングカメラがあるが、それらは 戦争で消え、戦後は35oカメラとしてバイアーによって作られ続けた。型式は資料不足で推定。

 これはSコレクションで展示用のジャンクをごっそり頂いた時の一台。ウラブタ開閉部が壊れていて捨てられていた。



 キー部は残っているが、それを動かす部分が消えている。分解して適当なネジをつけてつまみにした。



 軍艦部は巻戻しノブとネジ二本で簡単に外せる。巻上げレバーは外す必要が無い。ホットシューも電線ではなく端子に なっていて、分解は極めて楽だ。アルバダフレームだが枠が見えにくいので周辺確認はやりにくい。



 巻上げ部はワンウエイで、巻き上げレバーもワンウエイ、従って分割巻上げが出来る。ただし、コマ間隔はラフだ。



 矢印がカウンターだが、機能していない。戻しバネが消えているのと、戻し部が不明だ。プラスチックで元の構成が 判らないのでこのままにした。撮影枚数は記憶でもそれ程不便は無い。



 メリター45o2.8。シャッターはBから1/125までの二枚羽根の簡易型













《試写》

 FP4+にて実施









 絞れば関係まできちんと出るが、曇天で開くと遠景は甘い。

☆本体がプラスチックで簡単な構造だから非常に軽く巻上げも軽い。問題はシャッターで、エバセットに一度写すと 巻き上げるまで押せない構造だが、このシャッターが手ぶれさせやすい。ストロークが長い上に最後のところで 力が必要で、気を抜いたら確実にぶれる。テストでは何枚も失敗した。がっちり構えて静かに押せたもののみ ブレが出なかった。絞り効果がはっきり出るなかなか良いレンズだけに惜しい。

 三脚ネジ穴はあるがレリーズはつけられないので完全なテストは無理だ。このカメラの評価はこのぶれるシャッター のおかげで低かったと推定できる。ちょっと惜しい気がする。ネガカラーの結果は素直でなかなか良かっただけに なおそう思う。


☆簡単だけど癖ありですね>Sさん


July 2016


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