FUJI GA645



富士のGA645シリーズはこのなのにフルオートカメラだ。オートローディング・オートフォーカス・EE・ オートワインディング、、、まるで35oファミリーカメラ。ペンタックスやマミヤの一眼レフタイプとは全く 異なり、距離形式スナップ用として異色の存在だ。

 なぜこのカメラをオークションで手に入れたか、それには二つの理由がある。一には常用として645を使いたいこと。 35oから見ればずっと高い描写と15−16枚写せる経済性がこのサイズの魅力だ。ディストーションが気にならない画角、 換算して38o相等の現代フジノンが欲しい。

 第二の理由は目。速写する性能が怪しい老眼だ。速写ではピントグラスや距離計より目測を好むのは視力の衰えから。 35oマニュアル一眼レフをほとんど使わなくなった(使えなくなった)理由でもある。







 ご覧の通り程度は最低だ。錆びたウラブタ、埃だらけで傷やカビが疑われるレンズ、汚い前周り・・・動作保障も無いから 入札はほとんど無く、ジャンク価格で手に入った。付属していたのは現場監督用のストラップ。どうやら工事現場で 使われていたようだ。オートで内臓フラッシュがあるから使えるだろうが、錆の原因はその環境だろう。



 何はともあれ動作確認。手持ちのサイズが小さい代用電池を入れたらあっさり起動した。しめた!



 ひどい状態のウラブタ、錆と汚れをざっと落として軽くマスキング。ウレタン塗料で塗装する。



 レンズは埃を払って清掃したら傷もカビもないしコーティングも無事だった。出品者は埃を払わずに正面からフラッシュ 撮影したのだろう。3−4枚目の汚れたシールは剥がしてベタツキをエタノールで清掃し、動きが悪いリール固定ボタンを 分解清掃し、全体を磨いて完成。


☆この時点で富士フイルムにオーバーホールが可能か問い合わせた。20世紀のうちにサポート終了なのでどうにもならない とのこと。オートカメラのサポートは部品の確保などでそれ程長く続けられないのは判る。故障したら、自分で直す ことになるだろう。おそらくレンズを他のボディーに乗せ替えるだろうが。







 電源のオン・オフで沈胴する。バレルは半押しのフォーカシングで移動する。上部は液晶表示とシャッターボタン、 デジタル的ジョグダイヤルやオートフォーカスとTV切り替えボタンなどあり







 後にはデータやフラッシュ、セルフタイマーボタンがある。モードはプログラムとシャッター・絞り優先、マニュアルの 各モードで、オートカメラの基本的なものは網羅している。

 ファインダーには速度、絞り、おおよその距離が出る。Aモードでシャッター速度を変えれば連動範囲内なら絞りが 連動する。マニュアルモードは設定が面倒だが使える。バルブ撮影では電池を消費しないので、長時間開放できる。

 面白いのはケーブルレリーズが使えること。三脚では便利だが半押しロックは使えない。



 底部は120カメラの定番そのもの



 内部は120フジカ共通仕様。フイルムを入れたらジョグダイヤルを適当に廻すと直接廻したかのように巻き上げる ちょっと不思議なギミックあり。フイルムを検知して一枚目が出るので、スタート位置に合わせる必要は無い。

《試写》

 APX400にて実施。ちょっとカブリと感度低下あり









 まず期待通り。現代フジノンらしい明確な描写だ。

☆現代の単レンズだから画質は立派、何も文句は無い。645としては大きく、感覚的には69サイズだが、コンパクト性で 無理をしていないので仕方ないのだろう。撮影は必要方向に向けて押すだけ。それで645の画面が得られるのだから 便利だ。

 動かないならレンズを利用と覚悟しての入札、大正解!


August 2016


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