KONICA UA
KONICA UA(右)は前回のタロンと共に到来した。特に大きい問題は無く、軽整備する。元になったU(左)と異なり、矢印の
部分がピントレバーのストッパーになっていてそれ以上廻せない。つまり沈胴しなくなった。改良なのかは微妙だが、
次のVなどと同じ構造になった。二重撮影防止はあるが、セルフコッキングでないのはUと同じだ。
ファインダーはきれいだが、左右像が少しずれていたので、点検口から調整。多くの距離計はアクセサリーシューの下に
点検口がある。左右はもちろん上下まで直せるタイプもある。その他ではフイルムゲートのすぐ上とか、接眼レンズの
横にある太目のネジの中に調整ポイントがあったりする。いずれも軍艦部をそのままで調整するため。
シャッターは渋り気味で、羽根に油が見えるので開けた。特に問題は無く、清掃と給油で快調になった。
ヘキサノン48o 2.0、この頃としては大口径だ。135用のレンズはこの時代には開放の明るさを競った。コニカT時代から
3.5、2.8、2.0・・・と進み、Sに進む頃には0.1刻みなので、1.9、1.8、1.6など違いがわからないほど細かい物がある。
左上のノブはIが通常撮影、バルブにしてTを押すとタイムになる。
解除はノブを戻すタイプ。シャッターボタンのリンクを止めるデバイスで、シャッターに組み込まれるものとは異なる。
本来はオープンフラッシュのためだが、レンズ周りを整備する時には便利だ。
その他各部清掃と給油で非常に快調になった。
《試写》
アクロスにて実施
ヘキサノンの切れ味、繰り返すまでも無いだろう。すっきり使える。
☆機能的にはUのデラックス版で、レンズが明るくなったのが特記事項か。その他はほとんど違いは無い。レンズの
明るさも距離形式ではメリットというほどのものではなく、0.1刻みで争った時代の産物という感じだ。
沈胴を止めたのは実質的なメリットが無いからだろう。わずか数ミリでは収納の点でも操作性でも意味が無い。
蛇腹ほどのメリットが無い沈胴が消えたのはレンズの大口径化、巻上げ連動(セルフコッキング)などで連動に無理が
生じ易いからだろう。次のVを設計していただろうから、そこに至る一里塚な機種だ。
次のVではレバー巻上げ、セルフコッキング・採光式ブライトフレーム・パララックス自動補正(VA)などが組み込まれ、
このタイプの完成形になるが、私はUを持ち出す事が多い。アールデコ調のスタイルと一枚ごとに丁寧に巻上げ・シャッター
セットするのがちょっとしたスナップに似合うからだと思う。
☆期待通りですね。ご愛用ください>Hさん
June 2017