FOKA UNIVERSEL



 フランスのフォカ、35o距離計連動カメラ。Sコレクションで借りてテストしてみた。



 ルヴァロワ光学精機社により戦後すぐから1960年代まで生産された。独自マウントによるレンズ交換式



 このカメラについていたのは、Oplar50mmF2.8で資料によれば4群5枚とある。



 絞りの動きが悪いと思ったので、前玉のリングを外してみた。



 フランスのカメラは独特の構造が多い。これもその一つで、前玉を外すのに一切のカニメなど存在しない。





 実はこの時点まで沈胴レンズだとは気付いていなかった。最近、このタイプは主に28か35oを使う事が多いので、 50oではこの位置ではピンが出ないと気付くのが遅れたのだ。沈胴で絞りリングと思った部分を廻しても変化する はずが無い。正解は前を押さえて前玉部の一番後ろのリングを廻せば絞りが変わるとわかった。つまりどこも 故障はしていない。

 ということで、各部を確認と清掃をして作業を終えた。













《試写》

 プレストにて実施した









 近景から遠景までバランスが良く、問題なし。4枚目はわざと手前の棒にピントを合わせている。

☆機能としてはMライカなどと同等だろう。巻上げの感覚などしっとりしていて使い易い。どことなく質感が 良いカメラである。シャッターは1/1000秒まで、スローはバルナックタイプ同様にメインダイヤルを1/40にして、 サブダイヤルで設定するのだが、7/40ー1秒までの他、タイム露光がついている。第二次大戦直後のものなので、 フイルムのタイムが残っているのだろう。

 使っていて違和感を感じたのは、距離計窓が後ろから見て左肩にあること。カメラをしっかり保持しようとすると、 左手で距離計窓を隠してしまい易い。ファインダーがセンターにあるのでパララックスは上下だけなのは良いが、 左目で見る人にはちょっと使いにくいだろう。

 レンズの無限遠ストッパーは軽いクリックだけでロックはされないから不便ではないが、左手でフォーカスする時には レンズのヘリコイド用ノブがほとんど使えない。また、沈胴レンズ共通だが、絞りの指標があちこち移動してしまうので シャッター優先で操作するには不便だ。個人的には沈胴しない方が沈胴していてもシャッターが切れてしまうミスが 避けられるのでベターだと思う。

 フランスは世界最初のカメラが作られた国、ドイツカメラとは異なるが、独自進化していてレベルが高い。 独特の構造と、光と影をしっとり写す。フランス映画の渋いトーンという感じだ。


☆良いカメラですね>Sさん

 


July 2017


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