ZEISS SUPER IKONTA U
スーパーイコンタ2型、Kazさんからの整備依頼のもの。
問題点はスローが効かないことと前玉のカビなど。前玉は分解清掃できれいになったが、シャッターは内部に
アクセスできない。赤い印は距離計回転部で、ここを外して黄色を外せばラピッドコンパーに会えるのだが、
どうにも動かない。
ドレーカイル距離計は楔形プリズムを回転させて二重像を合わせる。そのためにプリズムの回転に合わせて前玉の
ヘリコイドを回転させるのだが、ここはギアで連結されている。ギアの位置は微妙で、ずれたら合わせるのに大変な
面倒があると聞いている。外せないならどうするか、外から処理するしかない。隙間からベンジンを流して、
固着したスローガバナーに刺激を与えるべくいろいろ動かしたが、ガバナーは動かない。正常動作しないバルブは
リンクの固着が外れて使えるようになった。
使えるのはB、1/200、1/400の3種類と腹をくくった。昼間なら1/200秒固定でも400のフイルムならほとんど
対応できる。ペンEEやオリンパストリップなどの撮影方法だから、何とかなるだろうとここでギブアップした。
ファインダーを清掃してある程度は見えるようにした。根本解決は黄色くなったプラスチックの645-69表示の
板を外すしかないが、オリジナルを崩したくないので、完全に曇っているアルバダ用のハーフミラーのみ清掃した。
テッサー105o3.8、スーパーイコンタを代表するレンズ
《試写》
プレストにて実施
69となると絞っていても深度だけには頼れない。シャッターの制約があるのにきちんと使えた。4枚目は3枚目の
中央部のサイズ調整無しのもの。
☆スーパーイコンタの典型的なテッサーつきなので、フォーマットの威力を感じた。昼間ならこの写し方で
ほとんど対応できるだろう。もちろん何が何でも開放で写す人には無価値だろうが、その場を過不足なく記録するという点で
立派なものだ。
☆さすがの性能です>Kazさん
July 2017