FOKA FOKAFLEX
チェコのフォカフレックス。610氏よりのシリーズの一つ。66二眼レフなのにベークライトでピント調節なしの簡易型。
ファインダーはブリラントとそっくりの透過式で、汚れが目立つので掃除した。
1945-1950年頃にチェコの Heskという人によって作り出され、それが Druopta によって量産されたようだ。資料によって
微妙に内容が異なるが、戦後に作られたのは間違いなく、少し違うタイプもあるようである。
簡易型にしてはしっかりした造り。ただし、ここまでに緩めたネジは6本だけ。それでフード部も接眼レンズも
分解できる。特にひどくは無いので清掃のみ実施。
ビューレンズは単玉。簡素そのもの
テイクレンズは SPECIAL 75mm F8 である。単玉だと思ったのだが、後に二枚玉と判明した。
前板のカバーを外す
もう二本外すと絞りつきのシャッターユニットが完全に独立した形で出てくる。意外な造りだがしっかりした
組み立てで、軽い潤滑のみ行った
その下にもう一枚のレンズを発見、手前のフェルトを外せは6.3程度にはなるだろう。もちろんそれでは画像が破綻
するからこの設定なのだろう。
シャッターユニットは完全に独立としている。簡易だが1/100以下3段階の速度を持つ。なお、絞りは穴が開いた
板を入れる方式なので、絞りは8と16しか選べない。
《試写》
KODAK T400CN でテスト。これもだいぶ古いフイルムなのでいろいろ問題があるが、全体の雰囲気はわかる。
調節範囲が少ないが明るさ的には先ず問題なかった。
☆ピントが固定という時点で画質に期待しなくなるものだが、意外なほどしっかりしている。もちろん66という広さの
助けはあるが、それでもなかなかちゃんとしていて驚いた。ピントの固定位置はほとんどの固定焦点と同様で3メートル
程度だった。撮影後に清掃したのだけれど、その時に前玉の固定が緩んでいて、1ミリ程度動く事が判明した。
しかし撮影結果にはその影響は見られなかった。良い意味で鈍いレンズだ。
ドイツカメラなどには66の簡易カメラがいろいろある。それらもそこそこちゃんと使える。こういうカメラを使うと、
そんなにきりきりあわせなくても、簡単な記録ならこれで十分だという気持ちになる。これは"あり"だ。
このカメラの日本語の記事はこの
たかさきさん
のものしか見当たらないが、実に立派な試写を報告されている。ボヘミアカメラ、簡易型でも侮りがたし。
☆単純素朴でよく写る、面白いです>610さん
March 2018