SAMSUNG WINKY



 サムソンのウィンキーという名のカメラ。一見は70-80年代のオートフォーカスコンパクト。いつ頃どんな 経緯で我家に来たのか全く記憶に無い。そんなカメラ。



 オートフォーカスではなく、SELF Focus F4.5 35mm とある。セルフフォーカスってなんだろうと思ったが、電池を 入れて後ろを開けてテストしてみたら、レンズはまるっきり動かないし、絞りもシャッターも常に一定。100か400かで 絞り径が変わるだけ。電池を入れればフラッシュは使える。暗くなると警告の赤ランプがつくのが唯一。まったく電気的に 制御されるものは無い。単純なバネ式のシャッターのようだ。

 要するに、フイルム交換と100-400で絞り径を変えられる機能が追加されたレンズつきフイルムだ。こういうのがゴルフ などのコンペの景品に使われた時代があった。又は出先で急に写真が必要になったときの用途か。



 推定1/125秒、絞りは11と判断。400を入れて暗くなってきたら100設定にすると絞りが8くらいなのでカバー範囲は 以外に広いと思う。少なくとも二枚構成のおそらくプラスチックレンズ









 フイルムゲートはカーブしていない。単レンズではなく、複数レンズで収差はある程度消していると言うことだろう。



 電池ボックスのフタが外れていて、布テープを貼ってある。これでギリギリ通電する。電池を使うのはフラッシュだけで 電池を抜くと光不足の警告ランプがつかなくなるだけ。

《試写》

 プレストにて実施。基本的にフラッシュは使わなかった









 ピントは全体に甘い。固定位置は2ー3メートルと推定。フイルム濃度からシャッターは1/125以上、絞りは11程度 設定感度を100にすることで暗いところに少し対応するが、トレードオフで画質劣化するので今回は採用せず。

☆簡易カメラだからという観点で見る事は無い。評価としてはピント固定かつ甘いので、全てのカットを使えるというのは 無理だと思うが、ちゃんと記録している。フラッシュ併用でそこそこ使えると見た。ファインダーは意外に厳しい画角で、 相当正しい範囲を示していたのは意外だった。全体に予想以上に真面目に作られている。

 こういうカメラを使ってみると、あらためて考えさせられる。技術的に良い写真の三要素、ピント位置・適切な絞りと ぶれの無いシャッターという観点で見ると、手ぶれさえ防げば普通に写す分には全て許容範囲で抑えられるという レンズ付フイルムの思想に納得が行く。

 より正しいピント位置で、適切な露出で適切なボケ狙い又は・パンフォーカスで写せなければ高級な道具は意味が 無いとも言えよう。もちろんその辺を自動化し、より良い結果を目指して進化したのだから無意味とは言わないが、 なかなか厳しい話ではある。


April 2018

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