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LEICA VG



 バナックライカ最後のVG、テストリポート

 ツイッターでつながるコニカ・ウイキを主催する森羅さんが この花火の元だった。「バルナックライカのVGを手放しても良い」というお話で、私とアレモコレモ氏が手を上げた。ただし、 私は所有は希望せず、どんなものか触ってみたいということで、先にテストして、済んだら最終目的地としてアレモコレモ氏に 送り出す話になった。



 ただしシャッターに問題あり。この通り先幕が荒れている。補修しながら使っていたが、ここ一年以上は触らなかったので 劣化が進んでいるだろうということだった。



 ちょっと危なそうなので、ウレタン塗料をごく薄くして乗せてテスト。光が点で入るので劣化が幕面全体に進んでいる。薄いものを 二度塗り重ねて補修した。結果として完璧にはならなかったが納得いく程度に使ってみる事ができた。



 テストしたのはこの3本。左からズミター2.0、ジュピター8の2本は50o、番外でキヤノンの28o2.8も使ってみた。

 ライカVGは最後のバルナックタイプで、M3が出たあとに作られている。従来のバルナックの弱みを少しでも消すためか、 いろいろ改良されている。パララックス補正のファインダー、完全独立動作のセルフタイマー、シンクロ接点の合理化、 アイレットの追加など多岐にわたっている。













《試写》

@ズミター+富士業務用400





Aジュピター9+ラッキーSHD100
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Bキヤノン28o+ラッキーSHD100









 参考に光漏れが激しいコマ。シャッターのムラも強く出ている



 @では一枚目左側にピンホールによる光漏れあり。Aでは2枚目は右側が完璧に写っていないのでトリミング、Bでやっとある程度 安定して写せた。ただし、わざとレンズを外して暴露すると見事に光が入る。また、先幕の始動が遅れての光漏れは幕 アクリルを塗ることで硬化を促してしまい、完全なシャッターにはできなかった。

☆レンズ交換式なので試写は参考までということになる。記事としては改良点を含む使い易さなどをポイントにする。

 パララックス補正のファインダーは確かに見やすくわかりやすくなった。画角確認は信頼できる。もちろんピントは相変わらず 別体距離計なので、視線の移動を伴う。目測運用なら問題ないが、連動距離計組み込みに慣れていると別は面倒だ。 完全独立動作のセルフタイマー、シンクロ接点の合理化についてはテストしていないので何もいえない。 アイレットの追加は ケース無しで使えるので非常に良い。性能には関係ないが、ファインダー部が少し前に出ている。全体としてのデザインは いかにも複雑なメカニズムという感じだ。

 さて、私の感想はシンプルだ。「存在は認めるが私には実用できない」である。古狸だからほとんどのカメラを操作できる スキルはあるつもりだが、リーダー部を切り直して下から入れるフイルム、ファインダーと距離計の別は私には使いにくい。急ぐ時に すっきり扱う自信はない。何よりキヤノンやソ連のLマウント機でこれらのレンズは使えるからバルナックで苦労する 必要はない。ということで、これを活用できる方に送り出した。


☆納得するまでテストできました。ありがとうございます>森羅さん

June 2018

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