K-Ishibashi の解説より。
「Enoldeは日本ではコレレで知られたコッホマン社のカメラで、1930年頃まで製造されていたようです。
お手持ちのカメラはEnolde Model Iだと思われます。」
10年以上前だと思うがみやっちのパパがくれた。最初は何がなんだかわからなかったが乾版で写すのだろうと
いうことはわかった。このサイズの乾版はほとんど手に入らないし、あっても現像してくれるところは近くにない。
きれいで珍しいのでそのまま飾っておいた。
最近クラシックカメラのHPである程度のことがわかったので120ロールフイルムのアダプターを探した。
オークションにもほとんどでてこないが、たまたま一つ見つかり、やっとで落札した。
同時進行で全体を分解、整備した。
分解は簡単で、大きく壊れたところはない。レンズはテッサー F4.5 10.5cm シャッターはコンパーと当時のドイツ機
の標準的仕様だ。シヤッターに多少の遅れはあるが、実用上は許容範囲 1/250 秒まであるのは当時としては
非常に高速シャッターだ。このスペックなら今のフイルムのラティテュードは広いので撮影しても大丈夫だ。
レンズはキズも曇りもなく、全体を清掃してカメラの準備完了。
鳥居のようなレンズ枠にはライズ・フォールとシフトのノブがあり、三脚に据えたときに微調整はアオリでできる。
アオリは今では小型機にはほとんどないのでむしろ高機能と言うことになる。反射ファインダーは使いにくく、
役には立たない。当然ピントグラスがメインになる。残念ながら水準器は失われている。
撮影準備完了のスタイル、後ろのピントグラスが失われていたが、ガラス屋に持ち込んで、スリガラスを切って
もらった。
フイルムバック(ドイツ・Rada社製)を装着したところ。手前にあるのは引きぶた。このホルダーは汎用で
操作性は悪いが6*9・6*6・6*4.5の3サイズに使える。単純な構造なので他の機種用に改造も容易い。
ピントグラスにはきれいな逆象が逆立ちしている。慣れないとフレーミングが難しい。周辺は光量不足で見えない。
フレネル入りのものに変える予定。ジャバラが非常によく伸びるので、静物の接写は意外なほどできる。
ただし、撮影には次のステップが必要だ。
三脚を据える・シャッター開放・絞り開放・ピントグラスでフレーミングと焦点合わせ・フイルムバックと交換・
シヤッター閉じる・単独露出計で露出決定・シャッターと絞りを決める・シャッターコッキング・引きぶたを抜く・
レリーズする・引きぶたを入れる・次を巻き上げておく・ピントグラスと交換・・・・・これでワンカット!