Ensign COMMANDO
エンサインはイギリスを代表するカメラメーカーだった。優秀なカメラを多数輩出したが、惜しくも消えてしまった。代表的な「オートレンジ」シリーズは優秀なレンズと精密な機構で今もトップクラスのスプリングカメラとして君臨している。



巻上げ部に難ありというコマンドを手に入れた。もともと軍用で、戦後すぐに民生用も作られた。大きな違いは民生用には6×4.5のフォーマット兼用と言う点ぐらいで、レンズも含めて同じである。手に入れたものは、エンサー75mmF3.5つきで、コーティングはされていないようだ。
巻き上げは自動ストップがきかないと言うもので、部品が欠けているので修理は無理だ。しかししっかり赤窓があるので、撮影に支障はまったく無い。



非常に精密感のあるしっかりした作りで、材質が良い。ファインダーは二重像合わせの連動タイプ、フォーカシングは内部のフイルムホルダーが動くので、マミヤ6と非常に似ている。
巻き上げ以外は特に問題なかったので、各部を清掃して試写してみた。

《試写へのリンク》


KODAK No.3 Autographic

これは20世紀初頭にコダックが次々にロールフイルム機を発表した時代の生き残りで、118型ロールフィルムを使って3.1/4x41/4インチを写すものだ。このとんでもなく大きいロールフイルムはもちろんはるか昔に生産中止、したがって近いフォーマットは4×5なので、これを使うか、印画紙でフイルム代用するか、レンズごと移植かということになる。



標準的35oRFと較べてその巨大さがわかるだろう。特に縦は4×5と大差ない。



取り外し式裏蓋にはパテントが所狭しと書いてある。ほとんどが1910年前後である。



一見きれいだが、蛇腹はどうにもならない。全ての角の皮が剥げ落ちて、中から見るとプラネタリウム状態だ。修復はあきらめて、ひとまずレンズ移植によって使ってみることにし、これ以上壊れないように、補強のみを行った。



これについているレンズはボッシュ&ロムのラピッドレクチリニアーである。この時代を代表するレンズの一つで、あまり有名ではないが優秀と聞いている。
このレンズの真価はクラウングラフイックに任す事にした。シャッターなどは全てオリジナルのママ使って、ボディーのみ代えることにすれば、意義はあるだろうと思う。ということで、いろいろ写してみた。その結果は下記からごらん頂きたい。

《試写へのリンク》下にあります


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