KODAK Bull's Eye
コダックのブルズアイはもともとボックスカメラである。これは戦後型のボックスカメラの発展系ということになろう。
特に壊れてはいないが、シャッターの渋りなどの調整をかねて開けてみた。
表から見たところ。並んでいるのはバルブ用のフラッシュガン、専用でこの時代のコダックのファミリーカメラに共用できる。これは傘が大きいタイプだ。
後ろから見るとこうなる。どちらから見ても実に単純素朴で、シャッターは単速、絞りは無い。調整するのはわずかに目測の距離目盛だけだが、前オーナーによれば「どこにあわせても良く写る」とのことで、暗いレンズ(絞り板からF8程度と推定)でパンフォーカスなのだろう。
巻上げ部とシャッターの裏側
KODAK・TWINDERという名なので、二枚組みだろう。明るさや焦点距離の記載は無い。
いわゆるギロチン型の単速シャッター、錆落とししてシリコンとボロン粉末で処理したら、大分動きが軽くなった。一応二重撮影防止機能があるので、使いやすいがシャッターは大型レバーで横位置では右に押すからとても手ぶれしやすい。
まあざっとこんなものだが、ダイキャストが多く結構重いし620フイルムは自分で巻きかえるか120を使えるようにしないとならないので、その点は不便だ。
干渉する部分を少し削ると120フイルムのまま供給できる。カラーも撮影後巻き戻せば良いので便利だ。
完成形。ルックスはなかなか精悍。
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TACHIHARA ANSONY A
ことの起こりはJFCのHIROさんからの書き込みによる。「写真館のカメラ、欲しければ岐阜まで来てください(要旨のみ)」
現物は大分大きそうだ。いわゆるスタジオ撮影用の室内専用カメラ、専用のドリーもセットでと言うわけだ。まあ根が数寄者なので名乗りを挙げた。
これをレストアと呼べるかはなはだ疑わしいが、カメラであるからまあレストアと言うことにしよう。
とにかく大きい。蛇腹は引き出しと微動を込にすると80センチくらい伸びる。前板やバック部を工夫すれば1000oを使うのもさほど問題ないほどだ。
バックの開口部は四つ切りにはちょっと足らない。ほぼエイトバイテンと言うところだ。アオリはバック部だけで、ティルトとスイングが可能である。風景用ではないからライズやシフトを省略しているのだろう。これらは前板の工夫でどうにでもなるので、後から加工しようと思う。基本的に構造は木製なので、見かけよりは軽く(4-5sと推定)加工も容易である。
一回り大きい方がキャビネ、新しい方は4×5である。時代と共に次第にフォーマットが小さくなり、引き延ばしが主流になったと言う感じだ。
これで大体の大きさがわかるだろう。もちろんこの猫(もも)は大人である。
直すところはさしあたり無いが、巨大な脚をつけたままではとても外にもちだせないので、アルミ脚立などを改造してベースにしようと思う。普通の三脚では蛇腹を伸ばしたとたんに倒れてしまう。さしあたりにはワゴン車の荷台に乗せ、そこをベースに写してみた。
レンズボードはリンホフタイプのようだ。適当にベニヤで作って、手持ちのニッコール300o(もちろんレンズシャッター付大判用)をつけて、すぐフイルムの間に合う4×5で撮影してみた。ポートレート程度にはこのままでちょうど良い画角だ。
試写へのリンク
コダック・ブルズアイに続いて2カットのみだ。