Rolleiflex original

前回のミノルタフレックスが日本の最初なら、これは実質的に世界の二眼レフの直接の元祖だろう。

これはJFCのNewlonさんから譲っていただいた。基本的なメカニズムは特に問題なく、外観のみタッチアップした。



確かに古めかしいが、1932年に新発売である。ちょうど70年経つ物としては良くここまでがんばってきたなという尊敬の念が先立つ。
よく見れば、決して古さを感じない。既にこの時点で後の二眼レフに求められる要素は一通りクリアーしている。四角いフォーマットの6×6で、ブローニーフイルム(このカメラは620フイルム)つまり裏紙つきのロールフイルムで12枚撮り、上がビューで下がテイクの同じ焦点距離のレンズを並べて平行移動させてフォーカシングする二眼レフレックス方式。ミラーの下と、テイクレンズの根元裏側の空間にロールフイルムを収め、フイルムに対して小さく軽いボディー構造。今の目で見てもなんら不都合は無い。製造者のフランケとハイデッケはこの構造を特許とし、DRP(ドイツ特許)DPG(ドイツ意匠登録)と誇らかにネームプレートに打ち込んでいる。



この個体に関しては、Jena テッサーF3.8、75mmがついていて、初期型の中でも価格が高い方だ。レンズには大きな問題が無く、シャッターのスローが多少早い程度で写すと言う点では現役である。唯一巻上げノブが逆転してしまう。



巻き上げのフリクションと逆転防止はコロとスプリングによるワンウエイクラッチを二個使っている。これが長年の使用でバネがバラバラに割れていたのが原因だった。代わりのバネとグリスアップで改善したが、コロの表面が偏磨耗しているので完全ではない。しかし巻き上げに注意すれば問題ない。



620フイルムのスプール(下は比較のための120用)である。120と比較して軸が細く、わずかに全長も短い。620フイルムは供給されていないので、120フイルムを巻き代えて使うことになる。120に改造も考えたが、巻き替えは簡単なので原形を尊重して改造は避けた。



ファインダーのピントグラスには水準器が組み込まれている。これは飾りではなく、実用として非常に役立つ。テスト撮影で水平がわかりにくいファインダーだがこれのおかげで楽ができた。日本の二眼レフにはあまり見られないのが不思議に思った。
反射板でスポーツファインダーにする構造でもあるが、さすがにこれは曇っていて、画像の確認はできない。まあこれで速写など考えていないので、特に問題ではない。



あいにくの梅雨空で、試写は雨の合間を縫って行った。晴れてもすっきりしない空気だからその点は割り引いてご覧いただきたい。

《れんずまにあさんより》

☆620フィルムの発売は1931年のKodak Six-20からで、ローライオリジナルの1928年とは差があります。当時120には66用の数字か打っていなかったとうことで、オリジナルは裏紙に66用のコマが書いてあった117フィルム、ブロウニー幅6枚撮りを使用しています。

私の錯覚でした。訂正させていただきます。情報ありがとうございました。

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