L型グリップの製作

古いカメラにはシヤッターの押しにくい物がいろいろある。手ブレのことなんぞまったく考えていないものや、本来は三脚を使うことが前提の物などいろいろだ。
そこで、押しやすく持ちやすくするためにグリップを使うことがあるのだが、市販の物はとても高い。しかも左手用がほとんどなのだが、右にしたい場合も良くある。
私は下から支えるピストルグリップを主に使うが、カメラによっては按配が悪い。そこで左右の手で使えるL型を作ってみた。



作るといっても、カメラ店に良くあるストレートブラケット(千円程度)を用意し、硬めの木にレリーズの入る穴、三脚ネジとアクセサリシューをつけただけである。自分の手で持ちやすい形にしたのが唯一の工夫か。
市販のブラケットにはだいたいアクセサリシューがついているので、これを取り外して、長さは少しきり縮めた。外してシューはグリップ部の上につけたから無駄は無い。

今回使った木材は、二段ベッドの足である。外材で適当に強度があり、節が無いので穴あけ加工が楽だった。もっと硬い黒檀などもいろいろ持っているが、あえて硬い木を使って重くする事は無いので、これにした。

これらの加工は木材が四角だったので、バイスに固定してボール盤にホルソーや木工ドリルの刃をつけて適当に段付にした。その後でベルトサンダーにて自分の手に合わせて削り込んだ。この加工方法は、カスタムナイフのグリップ部の加工と同じだ。少しぐらい削りすぎてもたいして問題が無いので気楽な物だ。下の部分にジャンクから取り外した三脚座をエポキシで接着した。これが入る窪みをつけて、本体と一体化させた。仕上げはエポキシ接着剤を全体に刷り込んで乾燥させた。この皮膜はとても強いので、本体の強化にも良い。

この手の組み立て式は、グリップとブラケットが緩みやすいので、ブラケット側にゴム系ボンドを薄く塗って、よく乾燥させた。こうすると適当に粘りつくので、緩みにくくなる。もちろん両方に塗ったらくっついてしまうのでご注意を。



ご覧のとおり、左右は簡単に下のネジを緩めて変更できる。バックにはばらして入れれば場所をとらない。
レリーズは固定しないので、市販のものならなんでも使えて調子が良い。シヤッターの押しにくさで困っている方にはお勧めだ。ただし、エバーセット型のシヤッターは、使いにくい物があるので、最初に使い方をよく点検したい。

本編はカメラッコ師匠(Idacさん)の言葉「クラカメの手ブレにはグリップが有効だ」からヒントを得た。さすが、師匠である(笑)
なお、二眼レフにはちよっと使いにくいので、シャッターを上から押すタイプ(リンホフなどの方式)も製作している。



紙の筒の中に灯油ポンプの蛇腹ホースを切って入れる。
パイプの出口は下側の前側に寄せて固定し、マスキングテープで止めて、樹脂を入れる。今回使ったのはエポキシより多少柔らかい建築用だ。ずいぶん前から使っているが、だいぶ状態が悪い。



このまま24時間待って、三脚ネジを落とし込み、追加充填した。



乾燥したら適当に太すぎるところなど削って出来上がり。塗装はどうするか、考え中。
使い勝手はなかなか良い。

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