あばうとJFC


[私]

JFCとは、ジャンク・ファン・クラブの略である。

JFCとは、まともに写るとがっかりするメンバーによる、ジャンキーズ・フリーク・カメラマンの略である。

[t氏]

まともな写真が取れるとがっかりする、ということはないですが、完動のカメラだとなんとなくさびしいのは事実ですね(笑)。


私がカメラ関係で所属する団体はJFCのみだ。JFCは昨年ウエブ上で結成された掲示板を通じての仲間である。
基本的に、「家族の肖像を写した家庭のカメラ」が主で、ちょっと昔のあるいは低く見られていたカメラの再発見とレストア、そのカメラで撮った写真などが最大の話題だ。

JFCは懐がとても深い。家族の肖像を撮ったカメラはある意味で何でもありうると言う解釈から、ほとんど全てのジャンルのカメラが登場する。16oの豆カメラから4×5に至るまで、今は絶版フイルムを使うカメラまで好き放題に語り合う。

一部の会員に見られるのが、「直したい」「構造が知りたい」という傾向で、もちろん私やt氏にもその気はある。
ジャンクを求めるのは価格もさりながら、そんな欲求から来るものなんだと思うのだ。
不動品として見捨てられていたカメラが復活し、立派に写真が撮れるようになった時の快感は病み付きになる。私もt氏もこの「病み付き」があるから最初の会話になったわけである。


カメラとの関わり方にはいろいろあると思う。
写す人・治す人・飾る人・ひたすら集める人・蒐集と分析でカメラ辞典を目指す人・・・
趣味は多様であればあるほど面白い。どれかに限定する必要はまったく無いと思う。もちろん、写真の写し方についても同様だ。最新式の高級機で撮るのも良いだろう。全てマニュアルで、シャッター速度が限られ、フイルムを自分で切り出し、あるいはカメラ自体を自作する、そういう楽しみ方も素晴らしいものだと思う。

私としては許せないのが専門知識や技術が無いのにジャンクカメラを「修理」して、稼ごうとする輩たちだ。過去に「ジャンクに群がる人々」で書いた連中で、カメラに一片の愛情も無く、単にブームで儲かるから飛びついている人たちだ。
こういう連中の「修理」によって、破壊されるカメラたちがかわいそうだと思う。
もう一つが「傍若無人に撮影する人」である。私たちは「白レンズおやぢ」などと呼んでいる。
観光地などで大きいカメラを我が物顔で振り回し、三脚の前に他の観光客が立つと言葉汚く追い立てたりする輩である。そういう人の多くが、最新”高級”一眼レフに高価なズームレンズ=白レンズを付けているのでこんなこんな言い方をしている。
別にカメラやレンズに罪は無い。その持ち主の態度が問題なのだ。写真を撮るのは特権ではない。他の人の自由を損なう権利などあるはずもない。
こういう人たちのおかげで善良な趣味者まで疎まれるのは困ったものである。マナーの良いライダーまで、バイクに乗ると言うだけで、暴走族のように見られるのと同じだと思う。写真の撮影には節度とマナーが大事だと思うのだ。

JFCにはこんな連中はいない。高級機も安価なプラスチックカメラも対等に認め、その写りを楽しんだり、ジャンク篭から救い出す人たちの集りだから楽しい。
扱うカメラから楽しみ方や作品まで、なんの制約も無く、それぞれの楽しみを発表し合い、時にはオフ会で意気投合する、自由な団体だと思う。
会員の興味が湧かないにはレスがつかないと言うのは、どんな場合でも共通だが、心優しい人たちなので、無視される事は無い。
非常に掲示板の更新が早い(密かにクローズド掲示板では日本一だと思っている・笑)ので、記事をすべて見るのは困難だと言うのが唯一の恨みかな。


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