プロということ A

以前、プロとは到底呼べないひどい修理について書いた。今回はその逆に、これぞプロという体験をしたので報告する。

べビーローライは一応動くが、外観が汚いということで手に入れた。確かに動くのだが良く見るとレンズが右を向いている。繰り出すともっと顕著だ。
おそらく二眼レフ特有の、繰り出し気候の不具合だろうと分解しようと考えたが、シンクロターミナル用の専用工具が無い。それに、一台くらいはまともな44があっても良かろうと、プロに任せることにした。
選んだ会社はひさなが光機、仲間の中でカスタムカメラ製作まで行う610さんの推薦する会社である。日本で唯一の69判一眼レフ、リトレックSPを生んだ(原形機、レンブラントを設計)会社で、記述が高いということだ。
「まあ見ますから送ってください」を頼りに送ってみた。それがなんと一週間で戻ってきた。

結果は素晴らしいの一語だ。レンズボードの曲がりからシャッターの調子、頼まなかった張り皮の脱落まで全部直っていた。写した結果が良かったのは言うまでも無い(HPUに記事あり)

これぞ本物のプロの仕事と感心した。こういう場合、経費が気になるが、関*カメラなどと比べたら圧倒的に安い。予想の半分以下だった。もし困ったカメラがあり、費用がかかっても直したい事情があるのなら、一度相談することをお奨めしたい。決して失望することは無いだろう。


もう一つ、レストアについてうれしいことがあった。義父から貰ったぺンタックスS3と、シャッター不調で悩んでいたハイマチックFが、つが_のさんのおかげで復活したのだ。

つが_のさんはまったくのアマチュアである。これで金儲けしている人ではない。ペンタックスの再生に闘志を燃やす人である。その技術は高く、フォーカルプレーンの膜交換から電子シャッターの調整まで、およそレストアラー泣かせの作業を精密かつ正確にできる人である。
ただし、お忙しいのでこの記事を見たからと修理を依頼するのは遠慮願いたい。あくまで趣味として直されているので、頼まれても断るとのことだ。

結局、プロかアマかということより、その会社・人の技術レベルと修理に対する姿勢が大きくものを言うのだと思う。ある意味でわかりきったことだが、改めて実感した。

皆さん、「うまい人・誠実な会社」に直してもらおう。「利益だけが欲しい会社」に依頼するのは絶対にやめようではないか。


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