MAMIYA 35Uの整備

F2.8とF3.5のマミヤ35Uを持っている。しばらく使わないでいたら少しシャッターが粘る。二台まとめて整備しながら、どんな違いがあるのか検証した。



上から見る限り、まったく違いは無い。部品はすべて共用できる。



レンズ鏡胴を外すのに軍艦部を分解する必要は無い。少し巻上げが重いので、中を確かめてみた。巻き上げレバー周りはあまり見ない構造で、部品点数が多いから、注意が必要だ。プラネタリーギヤによるカウンターはなかなか面白い構造になっている。



前板の露出しているネジを4本外すと、あっけなく分解できる。疑問点はまったく無い。巻き上げによるシャッターセット・シャッターレリーズ・距離計は全てレバー式で組み合っている部分は無いから、整備性は非常に良い。



巻き上げ部位外は簡単に分解でき、軍艦部はこのようになる。簡素なつくりだ。



左が2.8、右が3.5である。明るい方の2.8は周りのカバーが逆に小さい。3.5よりフレアーが少ないのはこの辺を改良したことによるのかもしれない。



近寄ってみると、この部分の違いがわかる。ここは互換性が無く、前板だけでの乗せ換えは加工しない限り無理である。



レンズ裏側の構造もだいぶ違う。ビハインド・ザ・レンズシャッターなので、少しの粘りなら後から簡単にアクセスできるが、中玉等は外れにくいのでシャッターともども整備性は良くない。しかし、部品はよく出来ているので故障しにくいのは確かだ。



完成図。昭和30年代の典型的35oカメラの顔をしていると思う。比較的小さいがずっしりと安定したカメラだ。唯一アイレットが無いのが不便だが、この時代にはケースに入れて大事に扱うのがお作法だから仕方ないだろう。



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