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引伸ばしとスキャン
最近モノクロプリントを再開した。再開の最大の理由はネガスキャンでは不満があるからである。
不満の理由は、「思った諧調にならない」「焼きこみや焼き落しが自由にできない」「印刷では全体にクオリティが低く、かつ保存性が悪い」という点である。
《私の引伸ばし環境》
ひどく狭いところに無理やり二台の引伸機が入っている。左が35oから69までのフジSD690Nで、右が645から4×5のオメガSuper Chromega Dichroic Uである。レンズはEBCFujinon の50、75、90oとニッコールの50、135oで、今回はフジの50、90oにてテストした。
元ネガはできるだけ厳しいものが良いので、コニカ・アイのハーフ判のネガから行った。フイルムはアクロスを使ってD-76で標準現像している。
引伸ばしはフジで印画紙はフジブロWPの2号と平均的な組み合わせである。
ネガスキャニングはミノルタのディーマージュスキャン・マルチU(120対応フイルムスキャナ)
プリントからの取り込みはキヤノンのD2400Uである。
《テスト結果》
《フイルムからネガスキャン》
ネガを2820dpiで取り込み。2624×1976 2.74Mのファイルから作成
jpegで50パーセント圧縮(以下同様)
そのセンター部分を取り込み時の大きさから切り出し
《キャビネサイズのプリントからフラットベッドでスキャン》
プリントを2820dpiで取り込み。15440×11280 43.2Mのファイルから作成
そのセンター部分を取り込み時の大きさから切り出し
範囲が小さすぎるので、一度縮小してから切り出し
にプリントしたものを150dpiで取り込み、圧縮のみでサイズ変更なし
《感想》
ネガスキャンでも最高解像度からだとなかなか良く出る。特に暗いところの諧調は良く拾っている。プリントでは車内の人物が良くわからないが、これは焼き方のせいで、人物は出す気がなかったので全体にトーンを合わせたからである。
細部を見ると、プリントの強さがわかる。ネガスキャンもがんばっているが、今ひとつ切れ味がない。諧調ではなく、エッジを立たせることで解像感を出しているのがわかる。
《広い景色の場合》
以下は先日日記に掲載したものだが、今回のように明確な物体が少ない条件では際立った差が出た。
リトレックUaによる69ネガから。
《最初は六つ切りプリントより75dpiで取り込み》
ネガスキャン
木の細かい描写など圧倒的に違う。プリントは六つ切りでもまったくピントの問題はなく、この大きさのプリントカラ取り込み、サイズ変更しないものは圧倒的である。
☆私の機材では、キャビネプリントで少しプリントが上、六つ切りプリントではネガスキャンより高画質だと思う。