. Camera Restore

リールにフイルムを巻く A



現像タンクのリールにフイルムを巻く。ステンレスの両溝式は耐久力が高く、管理しやすいので愛用者が多いが、リールにフイルムを巻くのは慣れないと大変だ。
左が120フイルム用で、右は135フイルム用である。これはLPLのものだが、基本的にはどれも変わらない。フイルムの最初の固定方法で挟み込むバネものと、引っ掛けるタイプ程度の違いだ。
高価な道具にフイルム巻き込み機があるが、基礎の巻き込みはフイルムトラブルや絶版フイルムの切り出しなど、暗室・ダークバッグ作業の基本になるので、手巻きできることはいろいろ役に立つ。

《120フイルム》

今回はわざとリーダーペーパーをフイルムの代わりに巻き込んで解説する。



120フイルムは先にリーダーペーパーと分離すると良い。最後の部分はテープで止められているから、その部分を固定部に差し込む。
このときに大切なのは、フイルムがリールと平行であること。ここが曲がると最初からずれが生じて失敗する。きれいな位置が出たら固定する。



赤い印部分がちょうどリールに収まるあたり。これがきれいに入るとフイルムの動きが軽くなる。フイルムは少し丸めるように両側から押さえるが、強すぎて黄色い印のようになるとフイルムが痛み、その部分にムラが生じる。このあたりのことは何度も捨てフイルムで練習すると良い。
きれいに入ると、フイルムを押し戻すようにすると軽く動き、曲げストレスが働かない。(一蹴程度以上巻き込んだとき)。フイルムに異様なテンションを感じたら、それはまっすくに入っていなくてどちらかによじれているので、少し戻して確認すること。
間違ってもきつく引っ張ってはいけない。軽い引きで自然はいるように心がける。

☆フイルムの膜面には触らないこと。指紋が残ると現像時にトラブルの元になる。



巻き上がり。このテストは紙なので印の部分が引っかかっている。フイルムがこうなるときれいには現像できなくなる。

《135フイルム》



パトローネがカシメられている現代フイルムでは、先にベロ出ししてはさみを用意する。
昔の組み立て式なら分解できるので、手探りで分解する。



手探りで印の突起を探す。上ではなく横に突き出している。ここに片側のパーフォレーションを引っ掛けるのだが、1−2センチ中に入れないと外れやすい。




最初がしっかり入ったところ。この時点で両サイドとも針金のループの下にあることが大事だ。ループに乗るのは約半周したところからで、この辺はかなりしっかり引っ張って確実に下に落とす。




最初が入れば、軽く押しながらリールを回転させればスムーズに入る。120フイルム同様、妙に巻きにくかったら無理せず戻ること。



最後はパトローネから2センチくらいで切り落とす。36枚だと長いので最後が余る場合があるが、軽く巻きつけてタンクに入れればまず問題は生じない。
分解できるパトローネでは比較的楽だが、カシメられたパトローネでは引き出しながら巻くか、すべて引き出して切り取ってから巻くことになり、巻き返してからリールに巻くので傷をつけやすい。 慎重に作業したい。
私の場合は指の力でパトローネを分解してしまい、フイルムを取り出してから巻く。腕力勝負なので、どなたにもお勧めというわけには行かないが、これは慣れるとすばやくてハンドリングが良い。

☆120フイルム同様、フイルムの膜面には触らないこと。指紋が残ると現像時にトラブルの元になる。

☆私の場合は暗室か大型のダークボックスで、空間に余裕があるから平行を保ちやすいが、ダークバッグだとなかなか大変だ。慣れるまでいろいろ練習が必要になる。
一度失敗すれば、手痛さで真剣になり、上達するだろう。健闘を祈る・笑



戻る