. Camera Restore

PENTAX S2 の整備

レストア済機種のページに書いている通り、私は一眼レフには手を出さないで来た。実際には多少の台数は触っているが、あまり興味が沸かないのと、フォーカルプレーンの小さいのは面倒であるというのが最大の理由だ。原理的にはわかっていても、実践が少ないから何もいえない。

たまたま手に入ったペンタックスS2は、正にぼろぼろで、フォーカルプレンのシャッター幕が生きているだけましという哀れなものだった。この写真でも外装は掃除した後である。



塗りはハゲ、メッキは錆びてファインダーは曇り、巻上げはぎしぎししている。もちろんシャッターはまともに切れない。ミラーアップのまま止まってしまうのだ。これをキタムラジャンクとして手に入れたのだが、ちょうど良い教材と思ってだめもとで分解してみた。



先ずは巻き上げ関係を外す。センターナットは逆ネジだった。これは機種によりいろいろなので注意が肝心。



巻き戻しまわりも外す。こちらはごく簡単。



ネジは数本で軍艦が外れる。



ペンタプリズムを外す。これで基本の清掃は可能になった。



マウント部を外す。この状態でシャッター幕を戻すとミラーが復帰した。シャッターの引っ掛かりによるシーケンスの途中ストップと判明、難しい問題はないとわかった。シャッター幕は思ったほど痛んでいない。交換の必要は無かった。ミラーボックスも外そうかと思ったが、半田付けを外すのが面倒で、この状態でシャッター軸とミラーのリンク、巻上げ周りの清掃と給油を行った。巻上げもシャッターも快調になった。





タッチアップもして完成。まあボロながら見られるようにはなった。ミラーはまともでプリズムは無傷、ピントグラスは清掃したのでファインダーも問題はなくなった。



55oF2.0がついてきた。55oは時代を感じる。こちらも分解して清掃した。カビは無くてホコリのみだったから、問題なし。コーティングのひどい痛みや硝材の黄変は感じられなかった。

☆ついでに頂き物のタムロンの90-205oのプリセットズームも整備した。開放で5.6と暗いので、非常にスリムだ。



昔のズームなのでレンズ構成が簡単だ。分解しやすく整備性は良い。それでもレンズ枚数が多いので、分解したレンズの順番や裏表には注意した。これを間違えると地獄を見ることになるので、ズームの分解は絶対に記録をしっかりするのが必要だ。



最長にした時。笑える長さ。



《試写》

というわけで、出来上がったがS2はすでに報告済みの機種なので、ブラックモデルでも同じだから試写報告はあえて入れないつもりだったが、せっかく直して使わないのはかわいそうなので、場違いだがこちらに結果を少し入れる。残りは日記にアップする予定。フイルムはブレスト。



55mm いつも荷物を出すコンビニで。開放だがなかなかしっかりしている。



55mm 以前コニカ・アイのテストで写した店。さすがにしっかり解像している。



タムロン しっかりした画像だ。昔のズームとしては素晴らしい。



タムロン アップにしても絞り込んでいる性なのか実にすっきりしている。これなら今でも実用になる。ただし、プリセットズームは使いやすいとは言いがたいが。

今回はいろいろ勉強になった。機械式カメラだから特別難しいことは無かった。しかし、レンジファインダーとはシーケンスが違うので、まだまだ勉強が必要だと思う。次はシャッター幕の張替えかな。



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