. Camera Restore

リペイント

《お断り》リペイントすると中古価値がなくなるという考えの方は、この記事には無縁です

古いカメラを塗装してきれいにするのはプロだけに出来る仕事だと思っていた。私がかつてやったのは、公害写真の突撃取材のために、反射防止塗料をニコンFに吹き付けたくらいだ。これとて軽くマスキングして何も下地処理しなかったから汚いことこの上なく、しかもし薔薇来るとぱらぱら落ちてしまった。
完全な塗装には、分解と酸によるメッキはがしや特別な塗料によるしかないと思い、この作業は封印して久しい。

事の起こりは塗装のプロェッショナル、ミナレリさんである。私のキャディを素晴らしい仕上げでリペイントしていただいたのだ。しかもご自宅で。



見事な仕上がりに感激してしまった。もちろんオリジナルで使うのは一つの見識だが、私はそれほどオリジナルにこだわらない。使いやすくする工夫は大好きだし、自分好みの世界に一台というのはむしろ魅力と感じる。ごく希少なものを除いて、モディファイありだと思っていたから自分でもやってみたくなった。

ミナレリさんの情報で、「ミッチャクロン」という下地処理剤が非常に高性能で、簡単に剥がれたりしないからメッキ処理無でも可能との事、他の皆さんもどっと塗り替えブームなので、私もやってみようと言うことになった。



今回使った塗料とミッチャクロン、いろいろ種類があるようだ。



塗装は下地処理から。すでに外装の皮は剥がしかけた状態。きれいに見えていてもアルミ腐食が始まっていた。このままにしておけばいずれ下からぼこぼこ盛り上がり、川がはがれるのは目に見えている。腐食のひどい前側は全てはがして錆落しとペーパー掛け、上下の部分は完全分解してついでに整備した。また、済みしれされていた文字などは全て削り落とした。



ついでなのでアイレットをつけた。左側は巻上げのため空間が無いので、右側で縦に吊る仕様だ。



アルコールで軽く脱脂(塗る前にもう一度行うので)してマスキング。これが雑だときれいな仕事は出来ない。この作業場バイクや車のレストアで経験済みなので、それほど難しくは無いが、痛んだ針側を保護しながらなので、神経は使った。



自家用塗装ブース(晴天のみ使用可・笑)
部品は塗りやすいように下から支えるようにした。タレやくっつきを防がないと、せっかく塗った者が最初からやり直しになってしまう。



下地から順に吹いて、まもなく最終と言うところ。部品は簡単だが中身が入った本体はきわめて難しい。缶スプレーは圧力の調節など出来ないからその点でも不利だ。次回はコンプレッサーでやろうと思った。
気温が低いので数十分おきに塗り重ね、最後はクリアーを軽くざらっとかけた。多少でこぼこするがアダ光しないインチキ梨地というわけだ。車やバイクならクリアーは濡れるように掛けて、感想後にコンパウンドで研ぐが、これはそういう作業は考えていないので、ちょっとざらっとした仕上げに留めた。



部品はオーブントースターで数十分焼き付けた。温度は表示が無いのでスイッチを入れたり切ったりして焦げない程度に匂いが薄くなるまでやってみた。裏でチェックすると相当しっかり乾いたが、本体は温めるわけにはいかないので、当分乾くまで待つしかない。



マミヤ6spの完成図



実物はもっとエンジに近い色で、落ち着いていると思う。

☆ショッキングピンクも考えたが、いよいよ来たかと思われるのでパスした・笑

一応そこそこに仕上がってみると、やはり愛着が湧く。とにもかくにも世界これ一台なのだから。私は原則としてすでに改造されているものか、痛んでオリジナル部品などを手に入れにくいものに限定している。オリジナルに復元不能なら、好きに直しても良いだろうと考えているからである。もちろん趣味として塗装するのを否定するわけではない。やってみればわかるが、塗り終わって組み立てる時のわくわく感は工作人間共通の楽しみなのだから。




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