. Camera Restore

オリジナル・リサイクルフードとキャップ



レンズ周りで一番ポピュラーな小物は、レンズキャップとフードとフィルターだろう。
キャップはほぼ必需品だ。汚れや傷から無防備状態と言うのは困る。しかし、ジャンクカメラにはついていないことが多いし、キャップだけ別に売る場合さえある。

仲間のレビさんはこれをスマートな方法で解決している。プラ板からレンズキャップやフードを自作されているのだ。しかもこれが代用品とは言え無い素晴らしい出来である。



こういうロゴではないと知らない限り、これが手作りとは到底思えない。見事としかいえない質感で、まさに拍手である。

これらの作り方は、ビュッカーさんのページに掲載されている。トップページの左に並ぶ「レビさんのレンズキャップ製作」と言う記事をごらんいただけば、素晴らしさが実感できる。

しかし、誰でもこれほどの細工が可能では無いだろう。また、いろいろ練習しないと習得できない技でもある。
私はレストアしていてついに完全ジャンクとなったいろいろな部品が、フードなどに流用できるのではないかと思い、いろいろ工夫してみた。


《手作り(使いまわし)フード》



これはズームレンズのコンペンセーター部分である。多くのレンズを使うズームレンズは、カビが生えたらなかなか治せない困り者だが、いろいろなリング類やパイプの宝庫でもある。
今回は細いものを利用してリコー・キャディのフードを製作して見た。



ズームレンズのコンペンセーター(変倍レンズ部)である。このようにいろいろなレンズといろいろなサイズのネジつきアルミパイプで、アルマイト処理されてフードにはうってつけの素材だ。



ちょうどフィルターネジと同じサイズの部分がある。もちろん長さは合わない。



マスキングテープでぐるぐる巻きにして、バイスにはさんでアバウトで切り出した。こうしないとノコ歯が滑って余分なところに傷をつけやすい。テープごと切ればバイスで固定しやすいし傷もつきにくいのだ。



切断面をヤスリで整形し、内部の段を甲丸ヤスリで落として、切断面をサンドペーパーで仕上げて黒く塗れば完成。
レビさんの作品と並べてみた。ケラレぎりぎりなのでちゃんと使えそうだ。質感は・・・勝てないけど強度はアルミ製だけに高い(笑)

☆実は、レビさんにいくつか作っていただいたフードに、フィルター枠を固定しようとしてちょっときつく握った瞬間にバラケてしまった。フィルター枠を入れて接着すればしっかりした強度が出るが、突合せ接着だけでは弱いので、レビさんの仕様に挑戦する人はご注意あれ。(レビさん談)



これらはズームから取り出したリング類。ちょっと加工して塗装すれば、立派なフードに生まれ変わる。装着方法は起毛紙を内面に貼ってカブセ式にしたり、傷がついて使えなくなったフィルターからガラスを外して、フィルター枠を接着すると良い。きれいにしたければパテですっきりとした外観にして、つや消しブラックで塗装すればベストだろう。



ハイマチックFへの装着例。元はコニカオートVだったと思う。前玉の固定枠だが、根元に一周細く切った起毛紙を貼ったら、ねじ込みフードに昇格した。起毛紙はきつめにして、何度もねじ込むとねじ山的になり、フード部のみでもカメラを持ち上げられるほどしっかりする。
たまたま空いていたスリットが、ファインダーのケラレを少し緩和する穴あきフードで、実用性十分だ。



こちらはハイマチックEである。Fで余ったスライド式のフード部がそのまま装着できる。ぴったり合っていて違和感が無い。内部は起毛処理されているので、しっかりはまるからまったく無加工である。これを捨てたらもったいない(笑)


《簡単レンズキャップ》



これは双眼鏡のレンズキャップ。ジャンクセットにこのようなものがいろいろ入っていた。二眼レフなので二個に穴を開ける。内側はベルトの切れ端で調整。



ナイロン系の紐を通し、両端は焼いて溶かして冷たい金属に押し当てると広がって固まるから抜け落ち防止になる。



完成図、カメラはゼノビアフレックス



これは上下のつなぎをベルトにしたもの。



ローライコード用としてはお粗末かもしれないが、レンズキャップは機能のみあれば良いと割り切っている。これで十分使える。


《私のフードとフィルターシステム》



こちらは、私がいろいろなカメラに使いまわしているフード&フィルターシステムの一部だ。



汎用のフードにいろいろなサイズのカブセ、またはネジ、バヨネットがつけられる。小口径レンズのほとんどはこれらで賄える。
左の二個は二眼レフに多いバヨネット、ローライのベイUの相当品で、右の二個はカプセ式の例である。



上の写真のフードを組み替えた例である。これらのアダプターはフィルターを挟み込むことが出来て、ある程度フィルターを共用できる。また、一眼レフなどの大きいフィルターなども、これらとステップアップリングの併用でまず困ることは無い。もちろんフードも一眼レフの物が使える。広角レンズ用には、一眼レフの標準レンズ用のフードがちょうど良かったりする。

これらの元は以前にe-Bayでいろいろなフィルターセットとして手に入れたものが主で、その他昔から持っていたものや、ジャンクのおまけなど雑多である。その時はまさにおまけ程度にしか考えていなかったのだが、実に重宝だ。

いろいろ工夫するのは面白い。

《追加》

仲間のHigemouseさんとの話でテーパーのあるフードと言う話題になり、作ることになった。



材料はこれ。テーパーは右の130円のコーヒー缶
左にあるのは強化と中のでこぼこ付けに使うポリパテ



長過ぎる首をまず切り落とし、切り口をヤスリで一応整形してから本体を切り離す。スチール缶でもヘロヘロで、途中まではカナノコで良いが、残りはヤスリで落とした。



切り口をしっかり整形したらポリパテで首の内部の段を埋め、ついでに内部全体に盛って、半乾きの頃に古い歯ブラシで叩いた。これででこぼこがランダムにつく



後は普通に塗るだけ。テーパータイプはマミヤ6専用とし、カブセ用のアダプターを接着した。



ストレートは口が弱いのでレジンペーパーを接着して厚みと強度アップを狙った。このままでも良いのだが。結局黒く塗った。



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