. Camera Restore

マミヤUのシャッターボタン

マミヤUのシャッターボタンはそのほとんどが溶けている。加水分解によるもので、実用的に使うには不安だし、デザイン的にもみっともない。そこで工夫した見た。このカメラ以外にも使えそうな工夫なので、こちらにも掲載することにした。



トップカバーの分解はきわめて簡単で、左右と後のネジ3本だけで外れる。ただ、フラッシュをポップアップさせた方が良い。なぜなら、トップカバーはフラッシュのポップアップのガイドにもなっているので軽くかみ合っているからだ。この作業では電池は抜いてある。(電池の入ったカメラを分解するのは感電や故障の元)



黄色いゴムは見事に加水分解している。最悪のベタベタで、これが内部に絡んだら大変なので完全に拭き取った(アルコール入りウエットテイッシュにて)



何を使うか色々考えた。最初考えたフイルム類は耐久力で疑問がある。変形してなじみやすいものだとすぐに切れそうだし、硬いものだ極めて使いにくい。内部のシャッターボタンはわずかだが上に飛び出していて丸い。ここに硬いフイルムだと半押したままになり、使えない。耐久力を気にしなければ、ゴム風船が良いだろう。色も厚みもオリジナルそっくりで、短期的にはベストだと思う。ただし、半年で加水分解するのはまず間違いない。

柔らかくて耐久性があるといえば、シリコンゴムだ。薬屋の頃の知識では、男性用産児制限器具(ちょっとストレートに書きにくいので・笑)と哺乳瓶の乳首である。前者は厚みが0.1o前後とハードな使用には耐えられないのでパス(この辺りの判断は、daddyさんが詳しい・はず)ベビー用品のトップメーカー、ピジョンの哺乳瓶用乳首Lを選んだ。Lは歯が生え始めた乳児の使用に耐えられるように、厚めで耐久力がある。ただし、感触重視なら新生児用のSが良いだろう。
先端部分が丁度この穴にぴったりなので、少し長めに切って使った。



セメダインXで固定した。硬化後に余分を切って完了。この写真では内部に充填しているが、それだと押しすぎになるので充填はしない方が良い。



これにて完成。少しシャッターが重くなったが、使いにくくは無い。透明が嫌なら何か塗料を裏側に入れれば良いが、シリコンはほとんどの塗料を受け付けないので、もともとの色を使うのが無難だろう。ラテックスの乳首もあるので、それを利用するのも一つか。ただし、ラテックスゴムの時間耐久性は大幅に低い。時々直さねばならないだろう。



戻る