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ペンタックス67にELニッコール

引伸ばし用の EL-NIKKOR 135mm 5.6がいつの頃か手元にある。ほとんどというより全く使っていないし、これからも使うことはおそらく無いので、ペンタックス67マウント化して使ってみようと考えた。引伸ばしレンズは特に近距離が強く、自動絞りで無い点を除けば安くて素晴らしい解像度のものが多い。67でこれを使ってみようというわけだ。

接写専用ではなく、無限遠まできっちりピントが出るようにしてスナップに使えないか試してみた。



手持ち部品で再現性に乏しいからいきなり完成図。上からレンズユニット、オアシス(天体望遠鏡のボーグ)のヘリコイド、スペーサー(ジャンクボックスに転がっていた正体不明のレンズマウント部)、純正ボディーキャップの順に積み上げられている。

それぞれの間は全て接着である。下3つは長時間型エポキシでしっかり圧力を掛けて平面性を確保し、レンズユニットはパーマセルテープをネジ部に巻いた上でセメダインXでチョン止めしている。将来レンズが本来用途に必要になった時は、きつく捻れば外れて、テープを取れば元の引伸ばしレンズに戻るようにしたわけだ。ピントが合う範囲は約1メートルから無限まで。もちろん接写リングを使えば1/2倍程度は楽だろう。



ピント合わせ中にレンズキャップが廻ったらしゃれにならないので、マウントストッパーのピンがきちんと掛かるようにした。全ての作業の中でここが一番面倒だった。ボディーキャップが止まる位置でピタッとロックしないとがたつくが、なかなか正確な位置は難しい。そこで、厚手の皮を積層して押し込み、少しずつ削って位置出しをした。仕上げに瞬間接着剤をたっぷりしみ込ませば簡易レジンになってしっかりする。



完成図。ちょっと不恰好だが使い勝手は悪くない。手持ちでは開放を主に使い、三脚では徹底的に絞って使うと割り切るから普通絞りは気にならない。フィールドテストでは11程度までなら絞ったままでも使えるので、実用度は十分だ。

《形だけでは評価できないから試写した》

フイルムはプレスト、雨が降る中での撮影



ほぼ最短距離。絞りは開放



距離設定は無限遠。これも絞り開放。遠景がボケているのは実際に薄い霧が出ていたから。

☆テストには不都合な天候でこのピントとコントラスト高から、まあ成功だと思う。遠距離が出ているし、近距離のピントはさすがというものだった。これなら実用軽量レンズとしてスナップでも面白い。一度写して以後は使わないというレンズにはならないだろう。



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