レンズシャッター備忘録



32 FUJICA V2



 後から巻くシチズンMLT、プロンタータイプ。矢印はセルフタイマーとの連携で、ここを引くことでレリーズする。これが 外れているとシャッターとして動作しない。分解時には失くさない、外さないよう注意すること。

33 Argus Contessa Nettel



ふらふらシャッター幕を横に払う方法で開閉する特殊なエバセット方式。カメラ機構を内部に収めるので、レンズバリアー (手前の大きいリンク)なども露出している。

34 Baby BOX tengol



 二枚羽のバリオタイプ。黄色の印がシャッターレバーから続く部分で右にあるアームを 駆動する。 アーム先端がシャッター羽根の可動ピンを払ってシャッターが開く(ホールドされるとBやTになる)。 レバー駆動部が アームエンドを通り過ぎると外れ、より強いバネでアームがシャッター羽根の可動ピンを乗り越え元の位置に 戻る
(この時は逆方向なので羽根は開かない)

34 ALPENFLEX ORIENT



プロンター変形タイプ。最高速は1/200と控えめだが、意外に正しいタイムなので実用上は問題ない。セットレバーとつながって ガバナーに導く部分が大きめで構成がわかりやすく、整備性も良い。この簡単なもので1秒がきちんと出るし、セルフタイマーも 組み込まれている。

35 MAMIYA6 P COPAL



 故障とはいえない故障の例。セルフタイマーが動かないので起動しない。上のオレンジ部がシャッター羽根の動作を ブロックしていて、下の様になれば切れる。セルフがブロックするタイプでは案外良くある。

36 MINOLTA SEMI



不具合はスローガバナーが働かず、低速が出ないこと。カバーを外すと黄色い矢印のタイム設定のピンが動いていない。これは 巻上げ時にシャッターリングの溝によって設定されたところまで動き、シャッターが切られるとこれが抵抗して低速を出す。 ここが動かないのはよくあることだが、このタイプの二枚羽根は二枚羽根の駆動ピン穴を同じピンにさして、同時に駆動すること で 開閉する。単純だが分解すると案外厄介なのと、組みにくいので分解せずボロンの粉末を吹き込んでドライ順渇してみた。 結果は上々、次第に動くようになった。ほぼ規定タイムが出るようになったので完了とした。



 その他、二枚の羽根を重ねて支点近くでまとめて駆動するギロチン型=バリオタイプ(パーレットなど)や、フォーカルプレーン に分類されるかもしれないが、レンズ前に装着するソルントンタイプなどがある。


☆キリが無いのでこの辺りで一先ずまとめる。シャッター整備は徹底的な観察と、慎重な扱いに尽きる。正しい動作が解析できなければ修理 もまた出来ない。あせりと力任せは絶対に慎むべしと自戒している。


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