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手製簡易現像機、「ダークレスもどき」

 富士の簡易現像機、ダークレスもどきを作ってみた。正規製品についてはこちらで
 ごく小さい入れ物に専用の現像薬を入れ、135のパトローネごとその中に入れ、リールをハンドルでくるくる廻して現像する簡易現像機、ダークレス。手軽に暗室やダークバッグいらずでモノクロが現像できる。

 なかなか楽しいシステムだが、ムラを作りやすいこと、薬が高いことが欠点か。そのために手を出していなかったのだが、これに類するものでいろいろなフイルムを簡単かつ安価に現像できれば面白い。聞き覚えの注意ポイントを思い出しながら、先ずは135用を作ってみようと思い立った。



材料は100円ショップの調味料入れと、ジャンクからの巻き戻しノブ(クランクできれば何でもあり)、細い木(割り箸でも良い)だけ。ふた部分に穴を開けて、クランクできるようにした。容器内部には回転止めと位置安定のために木片を入れ、下にはリングを貼り付けて少し浮かすようにしてみた。薬は通常のものを使い捨てでと方針を立てた。(構想3時間、製作10分・笑)



要は、パトローネを入れ、リールを廻せれば良い。



一応それらしい(笑)

《実験》

カメラはフラッシュフジカ、フイルムはラッキーSHD100で、20枚弱程度の長さに巻いて近くで写した。

現像は、富士のSPDで原液のまま、時間のみ10パーセントほど短縮した。使用液は使い捨てで50ミリリットル程度。現像液の後はボールに入れた水の中でリールを廻して洗った。

フイルムエンドは外に出して折り曲げ、中に滑り込まないよう注意し、巻き締めと緩めをゆっくり繰り返すだけ。定着も同様。水洗はパトローネを分解してLPLのリールに巻いて行った。



ベタの全カット







☆数枚(黄色い印)にムラが出たのは、セロテープ止めが外れるおそれがあったので、巻き締めを緩くしたから。

☆初めてとしては良く出来た。リールにフイルムを固定するのがセロテープで接着が弱いので、攪拌が弱いことが一部のムラの原因だから、次回にはもっとしっかり固定する。

☆今回使用したSPDは増感現像薬である。ラッキーとの組み合わせは現像ムラを作りやすいから、このテストは厳しい条件だが、ほとんど普通の現像タンクと同じ要領で仕上げられた。時間を多少短くするか、希釈すれば調整は十分だ。現像液が少ないから、現像作用のリミットが量で決まるのだろう。粒状性は特に問題なし。擦れ合うことでの傷が心配だったが、これも問題なかった。

☆これなら十分使える。これだけできるのなら、135だけでなく120や127など、簡単な製品でいろいろなサイズに一つで対応できるものが欲しいと思う。(できれば、完全暗黒になる本体で、ロールフイルムなら何でも対応というタイプが欲しい。待っていれば、某Fercaあたりが作る気がする・笑)


  May 2012


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