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ネオジアゾ感光紙で写す


 昔、「青焼き」と呼ばれる感光紙があった。透明フイルムに線描きし、強い紫外線を当てて鉄系の感光剤が青く発色するのをコピーとして使っていた。ベースが青い中に青みのある白抜きだ。コントラストが低く、原版と専用紙を重ねて、露光・現像と二段階の手間が掛かる。(熱によって現像するタイプ、白焼きになるタイプもある)建築用の図面などによく使われていた。

 今の主流であるPPC方式(静電気でドラムに像を作り、色素を転写する、一般的コピー)に取って代わられて、昭和50年代にはオフィスから消えたが、これを一つの画像製作手段としてみれば、ノスタルジックで幻想的な画面が得られるので、紙にこの感光物を塗って印画紙、またはネガフイルムとして写真表現に利用する人たちがいる。

 今回はその中の一つで、感光物と現像材を仕込んだ感光紙で遊んでみた。ツイッターつながりの柊っ子さんが仕入れたが、数が多いので遊んで見ないかと呼びかけられ、日光写真でもやってみようと手を上げた。



 「ネオジアゾ」と呼ばれるタイプで、光が当たると白くなる。これは当てすぎて真っ白に抜けた。現像はアイロンなどで熱を与えるだけ。





 4×5に切り出してホルダーに装填。一応暗めの室内にて。

《1・日光写真》



 4×5のホルダーに撮影済みフイルムと重ね、10秒ほど直射日光に当ててみた。当然ながらネガから青ネガができた。(ネガはクラウングラフィック44・フジノン150mm・アクロス)



 反転させ、左右も合せた。



 モノクロ化


 青ネガ



 モノクロ化、ムラは熱の当て方が悪かったから(薄すぎて上手く機械に通らなかった)

《2・ポジ撮影

 カメラは4×5撮影そのもので、印画紙のフイルム代わりとほぼ同じ。露光時間は晴天下で絞り開放5.6の40分程度。





 撮影風景。まさにピーカン



 青ポジ



 モノクロ



 青ポジ(熱ムラが一度できると回復できない)



 モノクロ



 こんな所で写した。三脚にセットしてバルブにしたら車に退避して時間を待つのみ。

☆ワンカット40分は長い。しかし「上手く写らないのが面白い」という面もある。もう少し実験してみようと思った。


  August 2012


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