. Camera Restore

転売屋


転売屋という存在がある。法的に定義された業種ではないが、現実にネットオークションには多数存在する。古いカメラを 国内外から仕入れて、ネットオークションに出して稼ぐ連中である。

 もちろんまともな古物業者もいるが、その多くが「何でもネットで売って稼ぎたい」が多い。しかもそのまた上を行く「ネット オークションで稼ぐ方法」を本にして上前を刎ねるハイエナさえ存在する。

 彼らは稼げれば良いので何でも売るが、その中でクラシックカメラは美味しい存在のようだ。非常に多くの転売屋がネット オークションに見られる。同じカメラを何台も出していたり、数百台のカメラを売ってきたりしているのは先ず間違いない。 まさか全て「祖父の遺品」「実家の押入れから出てきた」「友人に頼まれて出品」ではあるまい。




 そういう連中が知りたいのは、「マニアが欲しがるカメラ」「簡単に修理したふりをしてきれいに見せる技」情報だ。 そういう連中は、「本当にカメラが好きで、無償でいろいろな情報を発信するサイト」を情報源の一つにするから始末が悪い。 大した情報が無い私のところでさえ見に来るし、ずうずうしく「**はいくらくらいか」「**の--はどう直すか」など 尋ねることさえある。

 こういう連中がいるから、本気でレストアを実践している人たちは突っ込んだ記述ができない。なぜなら転売屋にノウハウを 伝えると悪用されるからだ。いい加減にやって、一見きれいに見えるようにして売り抜けるからだ。私で言うと、バルサム切れ 対策を一切書かないのもこれが理由。よって私やJFCの仲間は、「肝心なところはぼかす」ことになる。カメラが本当に 好きな人に向かって発信したいことを書けない。

 この連中はテンプレートを使って「マニア垂涎」「レア!」などが踊る惹句と、「多少の使用跡はあるが美品」とか、 「目で見た限り小さな埃はありますがきれいです」やカメラサイトの機種説明をそのまま無許可でコピペして煽る。

 しかしほとんどが例外なく、「素人なので完全かどうかはわかりません。ノークレーム・ノーリターンです。」と逃げている。

 実際に手元に来たものは、説明とは大違いの不動品だったり部品が欠けていたり、内部に素人分解の跡がはっきり残っていたり、 部品の位置を間違えて無理やり組みつけてあったりするものが多い。故障ではなく壊されているものもごく普通に見られる。 クレームしてもなしのつぶてだったり、とぼけたりして しかも、誤魔化す手合いさえいる。




 私は注意しているのでこの手の詐欺まがいには引っかからなくなったが、初期にはいろいろひどい目にあった。オークション 開催者は「問題があれば指摘して下さい」などと言うが、役に立たない。売買が成立させ、手数料を稼ぐのがオークション の唯一の目的だから、主催者にクレームしてもほとんど無意味だ。(勝手にこちらの記事にリンクし、著作権違反で申し出ても あれこれ言い訳して時間稼ぎをされ、クレームの意味が無かった経験あり)


   ウイキペディアによれば、古物とは、古物営業法第2条で次のように定義される。

一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、 大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは 使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

警視庁によれば、下記の場合、古物商許可が必要だ。

古物を買い取って売る。
古物を買い取って修理等して売る。
古物を買い取って使える部品等を売る


 つまり、ほとんどの転売屋は法的には古物商である。許可をとってそれを表示しないと犯罪なのだ。また、古物商が ノークレーム・ノーリターンは許されない。販売については商法に拠らねばならず、品の瑕疵を正しく表示し、表記に対して 悪意に拠らずとも瑕疵があれば返品・交換に応じなければならない。



《写真の仲間に》

 泣き寝入りしないで戦おう。相手の取引履歴は消せないから、「継続的かつ個人が全て使用したものとは考えられない 出品数と品目」はわかるので、「隠れ古物商だ。きちんと対応しろ」と戦える。

《転売屋に》

 ずるい方法でせこい稼ぎをするな。訴えられたら勝てないぞ。

 《転売屋に「商材情報」と「ノウハウ」を売る奴に》

 恥を知れ!


☆追記・この件についてわかりやすくまとめているサイトあり。リンクフリーなので 参照・拡散願いたい。

  December 2012


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