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Close up lens
ある読者から二眼レフ用のクローズアップレンズ(プロクサーなどとも言う)をいただいた。接写にほとんど縁が無く、
まして近距離のパララックスが大きい二眼レフでは全く考えていなかったが、寄れるのは面白いのでテストしてみた。
左がワルツの2番、右はリコーの1番
ワルツのビュー用は簡単に開いたので完全清掃できた。
曇りがあるリコーは分解に苦労した。リング状のレンズ止めが異様に強くて外れない。最後は割れるのを覚悟して特製の針
(皮用の縫い針を陶芸の針ホルダーに接着したもの)で全力でこじったら、ピーンと音を立ててリングが飛んで外れた。曇りは
強かったが、何とかピン合わせに困らない程度になった。なお、テイク用はどちらもきれいで問題なかった。
この接写アダプターはいずれもローライのベイ2内側サイズのバヨネットで、リコーやミノルタ、ヤシカなど多くの機種に
汎用で使える。今回はオートコードを使ってみたのだが、ビュー側のストッパーが効かない。この際だからと開いてみた。
カメラ側のバヨネットを外すとごく小さなピンをゴミのようなゴムブロックで押す構造とわかった。このサイズではバネを
入れたくてもストローク不足だから仕方ないが、ゴムの経年劣化で弱くなるのは必至だろう。毛糸で代用したが、シリコンゴム系
接着剤で充填すると良いだろう(☆ピンを入れたら少し油をつけて、それから充填すれば動きが阻害されない)
装着するとこんな感じになる。
《試写》
カメラはオートコード、フイルムはアクロス
1番
2番
☆いずれも1/200秒、絞りは8で統一した。1番は50p、2番は30p程度まで寄れる。使いやすさとパララックス補正では
本体の最接近1メートルから50p程度をカバーする1番か。ボディーから30p以下まで寄れる2番も悪くないが、パララックス
はビューレンズでは補正しきれないから、手持ちでは難しいかもしれない。意地悪く逆光も試したが、どちらも意外なほど良く出た。
ファインダーで見るよりコントラストがあり、十分作品になる画質である。
たった一枚のレンズでどの程度出るものかと思っていたが、良い結果だ。何でも使って見なければわからないと反省した。
☆Kさん貴重なものをありがとうございます。大事に使わせていただきます。
December 2012