. Camera Restore

127カッター B


127フイルムは市販品がごく少ない。フイルムが選べないしきわめて高い。私は以前から120フイルムから 切り出しているが、今まで作ったカッターでは下記の問題があった。


@必要幅はフイルムと裏紙で異なる。裏紙はリールにぴったりしていないと遮光性に問題が生じる。しかしフイルム はそれよりわずかに狭くないとスムーズに巻き取りにくい。フイルムは少し狭く、裏紙は別途に120で使ったものからリール一杯の 物を切り出す必要がある。従って、カッターは簡単に切り出し幅が変えられる事が望ましい。

A巻取りがノブの場合、間歇的に巻き上げることになる。そうするとフイルムの切断面に段付が発生し、現像時に リールに巻き込むときに引っかかりやすい。特に127に対応するパターソンタイプだと引っかかって進まなくなる事が多い。 この解決には連続巻上げで切るのが一番良い。

Bフイルムの装填と切り出しは明室で行いたい。遮光性が劣るフォールディングカメラのボディーは使いにくい。


 以上の解決のため、4個3をしたミノルタオートコードのボディーに目をつけた。ファインダーからカウンターや レンズなどほとんどの部品を奪われた残りだからまさに廃物活用だ。



 二枚の板の間に使い終わったカッターの刃を斜めに貼り付け、カッター刃の厚みのトンネルを持たせた。これが フイルム室にぎりぎりに入る程度に削った。本来の切り出し用の刃(画面に見えているもの)は横から木ネジで 軽く固定する。



 フイルム室にはめ込む。この状態で軽く叩けば刃の位置は簡単に変更できる。





 テストカット。カメラ側のフイルム押さえ板のカッターが当たるところには切り込みを入れたので、フタを閉めれば フイルムが浮いて空振りする心配は無い。



 こんな感じ。予想より切り出しに力が必要だが、一気に切れるので切り口は滑らかになった。この後ウラブタをつけ、 前周りを遮光して完成した。



☆テスト結果は今までのものよりずっと使いやすい。切れ味が落ちたら刃は簡単に変えられるから運用は楽だ。 完成後、二本切り出して微調整した。これで当分使えるだろう。120がどんどん高くなるのは悩ましいが。



ついでにCANONSCAN 9950F 用の127ホルダーを作った。専用で無いと平面性などが確保できないから、その他のフイルム 用から外形サイズを割り出して127専用にした。3列まで設定できるが、一度に入れるのは面倒なので一本用とした。 これで34なら6-7カット、44でも4-5カットは一度にスキャンできるから十分だ。

June 2014


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