第二東名(新東名)高速道路 後編


 2003年に前編を報告した第二東名、その後9年間取材を続けた。週に一度は定点観測場所を廻った。写したカットは数千枚になる。ほとんどが私の住む富士市に限定したのは、「我が街」という40年来の私のテーマに沿ったからである。

第二東名前編


 2012年4月、「新東名」の正式名称と共に部分開通した。部分開通と言っても静岡県区間は全て完成したので、私の取材も完了した。取材に協力いただいた方々に感謝し、ここにその記録を報告する。


 取材期間が長く、変化は少しずつなので、非常に冗長なのをご容赦願いたい。今ではなく、”いつか”役立てば本望である。

 取材ではもちろん多くの人物、工事をする人やサポートする人たちを写している。しかしそれらのはほとんどを掲載しない。この工事には、私が写せた人とは比較にならないほど多くの方が関わっている。その全てを伝えるのは不可能だ。それに、人間ドラマではなく、淡々と工事をアウトサイダーとして見続けた記録として残したい。

 文中の地名は、比較的近い部落名で示す。ただし、「インター付近」については集落が無い場所なので、新富士インター周辺を漠然と指すもので、正式地名ではない。その他の場所もほとんどが畑だった場所につき、概ねその部落近くと解釈願いたい。

主な取材地域(中央が新富士インター、上が新東名、下が旧東名、南北の道は富士宮道路)

 本編は全てフイルムカメラで撮影し、主につれづれ絵日記に掲載したものから編集した。写真サイズは初掲載時のものを加工せず使っている。




2003インターチェンジ・料金所予定地(残された木)



一色北・この山を削り、あるいは盛土して右側に通る





2002-2003 神戸(ゴウド)・本線予定地



2004 一色上・この正面に本線が通る



原田北・山間部の橋脚



大淵南・家を圧するように橋脚が立ち上がる



鷹岡北・生活道路を横切る所はトンネルがつき始めた



2005 鷹岡北・橋脚が並ぶ



インター付近・残された木の向こうにインターの工事が広がる



インター付近・進入路の岩を砕いて掘り込む



インター付近・橋脚の数が増す



大渕・トンネル





インター付近・進入路



大渕・一部の形が見えてくる



鷹岡北・富士宮道路と立体交差して西に伸びる



2006 鷹岡北・残っていた橋脚が立ち上がる



大渕・暫定作業用道路



神戸・土盛り部分の路盤整備



一色北・トンネルが先に出来、土盛りで繋ぐ



2007 中里・最も高い橋脚群に架橋が進む

☆工事は多数のジョイントベンチャーがそれぞれの工区をそれぞれの下請けで進める。従って、場所により工事の速度が大きく異なる。この頃には沼津〜富士の山間部や富士川以西の工区はもう少しで完成の域だったが、そこからなかなか進まない。JH(前道路公団)職員の「工事のスピードは予算次第です」が現実のものとなり、竣工予定は遅れていく。



中里・架橋が繋がる



富士岡北・沿線には工事のための側道延々と続く。富士から沼津まで、山中を辿れる



富士岡北・両側からせり出しながら繋いでゆく



一色・作業地の土ぼこりを押さえるため、連日散水車が働く。彼はその作業員





鷹岡久沢・ここはまだつながっていない



インター北東・インターに入る道の一つ。ここは完成したが先が無いから閉じられたまま



2008 山間部で残った部分が繋がる



山間部はこのようにどんどん進んで形が見えている



大渕南・本線は手付かずだが、側道が整備され始めた。相対的に高くて東西を見渡しやすく、富士山撮影スポットでもあるのでここを定点観測地とした。以後、最低でも週に一度はここに来て観測した



富士岡北・残った橋梁が次々に繋がる



静岡市東部・出かけたついでに撮影。全線で最高の高さの橋梁部(前編で紹介したトンネルの西側)



定点・ここはなかなか工事が進まない



吉原北中北側・ここはほぼ完成



2009 山間部で唯一残っていた部分が接続される



富士岡北・中里方向を見る。形がはっきりしてきた



間門・集落の上をまたぐように延びる





大渕・本線は舗装の前段階。この形になったので自分の車で走ってみた。実に広い



定点・20メートル以上切り通した所がある。これはその擁壁。この上が定点観測ポイント



インター付近・ここは何故か作業が遅れていた。侵入しやすいからありがたかったが。



インター付近・上下線の橋梁の間は落下防止ネットあり



久沢・県道を越える部分が完成に近い





沼津(柳沢)・ここは完成。下からは見上げるほど高く大きい





インター付近・雨、まだここは進んでいない



インター付近・インターのエリアは東西2キロ、南北も1キロ近くある。すでに昔の道の面影は消えた



富士川橋東トンネル付近・山も里も突き抜けて伸びる



中里・空中架橋が延びる



2010 神戸・十里木街道との立体交差が完成、仕事場からも見える



神戸・立体交差の橋梁部






定点・舗装準備で路盤が整う





神戸(定点付近)・側道などの整備は実質的に終わり、本線の準備が進む。この右側に車を止めるのが定点での御約束



久沢・架橋が進む







インター付近・本線と分岐の両方が間もなく架橋完了



インター東・ここはまだ手付かず







大渕から神戸・下舗装が進む



インター付近・富士宮道路との立体交差完了







定点・コンクリートの下舗装が進む



中里・橋梁完成

東のロードエンドを見たくて写しつつ御殿場まで行ってみた





沼津・愛鷹球場付近











御殿場・高架がつづいて、最後はいつの間にか旧東名に吸い込まれていった



インター取り付け道路・外構工事に手がついた、終わりは近い



定点・仕上げが進む



中里北西・残っていた架橋が進んでいた



インター北・旧東名との連絡部が間もなく完成する



定点・コンクリートの舗装が完成し、工事車が頻繁に往復する



富士宮道路から・新しい道がはっきりその姿を現した





富士川東トンネル付近・巨大な工事道路がその役目を終えていた





2011 浮島沼・山裾を縫う新しい道



富士宮道路・横断する部分がほぼ完成





インター南側・インター付近の整備が進む





中里・広角レンズでも二枚でつなぐ必要がある長大な橋梁部



久沢・ここにも子供たちの絵あり



久沢・架橋は完了



インター・料金所



インター・工事専用コンクリートプラント



神戸・工事用出入り口の封鎖中



インター・冒頭に掲載した木



インター・料金所とジャンクション



インター・料金所



定点・台風通過中。それでも工事は進む。この頃、2012年前半に開業とアナウンスされた



定点・北を見る



定点・東を見る



間門・高架下の整備も急ピッチで進む





大渕・残されていた搬入口が閉じられる。案内標識も既についている



定点・ここも搬入口が閉じられ、法面整備に入った



インター東・下り線富士インター入り口付近。案内標識が取り付け済み






鷹岡北・本線が完成し、ガード下の残工事も間もなく終了



富士宮道路との立体交差西側・新旧の道路が交差する



インター南・ここも完成



大渕・道の姿になった



2012 間門南・新しい風景



インター・料金所方向



インター・旧東名との連絡架橋

☆2012年3月には主な工事はほぼ完了し、四月開業に向けて最後の仕上げが続く。正式名は「新東名」と なる





鷹岡・県道との交差や付け替えられた道も完成



インター・2012/4/13、開業前日、随所に見物に来る人の姿がある



インター・開業を待つ料金所。既に稼動している



2012年4月14日供用開始、各インターから一斉にパレードがスタート。上りがやってきた



下りも来た。私の第二東名シリーズが完結した。






2003 10月〜2012年4月撮影

《使用機材》フイルムカメラ(順不同記憶落ちあり)

《ハーフ》フジカドライブ、フジカハーフ、リコー・キャディー、ミノルタ・レポ、ミノルタ・レポS、コニカ・アイ、チャイカU、ヤシカハーフ14、ヤシカハーフ17

《35o》コニカ・ヘキサー、コニカT、コニカU、C35、C35FD、C35フラッシュマチック、現場監督35、現場監督28、現場監督zoom、ライカ・M2、ライカ・M3、ニコンF、ニコンFE、ペンタックス・MV、他

《120TLR》ミノルタ・オートコード、リコーフレックスダイア、他

《120》マミヤ・RB67、フジカ・GL690、フジカ・GSW690、フジカ・GX680、コニカプレス、パールTRS、パールU、KCW・SV611、KCW・KCW67、マミヤ6、ホルガ120、他

《フイルム》富士(アクロス、プレスト、ベルビア、プロビア100)ラッキー(SHD100)アリスタ(プレミアム100)コダック(TX400)など

戻る